和歌山ランチめぐり
昔から親しまれてきた味を復活させ、また次の世代へと。70年来の手法で握る早なれ寿司に込められた想い。(海南市黒江)

まいぷれ和歌山スタッフが、和歌山市内を中心に気になるランチのお店を取材する「和歌山ランチめぐり」。今回は、海南市黒江にある「べっちんさん」を取材してきました!

「紀州茶がゆ・早なれ寿司セット」(1日限定5食) 1300円(税抜き)
茶粥、魚、お漬物盛り合わせ、小鉢、早なれ寿司1個
※早なれ寿司無し:1000円(税抜き)。
漆器の町・黒江に昨年オープンした明治時代の邸宅を改装したお店にて、数量限定の「茶がゆセット」を頂きました。
温かい土鍋の蓋を開けると柿茶色に輝くお粥がたっぷり。ふわっとほうじ茶が香ばしく香り、するするっと喉の奥へ流れていきます。ほうじ茶の煮出し加減が味の要、何度も試作をし今なお改良を重ねているのだそう。
炊き加減も重要なポイント。米粒の形がちゃんとあるのに噛んだ感覚が無いくらい軟らかく、とろみが丁度良くて、実になめらかな口当たり。すうっと身体に沁み渡る素朴な優しい味わいでした◎
続いて名物の早なれ寿司を。ぎゅっと握られているように思えた酢飯は、口に入れるとほろほろほどけて甘酸っぱさが広がります。ツンとした感じが無くて、角の取れたまろやかな酸味。
鯖の軟らかさも味の馴染み具合も丁度良い塩梅で、酢飯の握り加減はもちろん、鯖とのバランス、全てが絶妙です◎
金山寺味噌や梅干し、煮物や和え物など地産地消で作られたおかずは「小鉢」どころではない品数の多さ!茶碗5杯分はあろうかという茶粥も、おかずをつまみながら、薬味を乗せて違った味わいを楽しみながら頂く内に、気付けば完食しているかも。
茶粥は何とお代わり自由!でも、これだけのボリューム、まだお代わりをする強者は現れていないそうですよ*
・明治時代に建てられた日本建築の邸宅を、蔵や離れに至るまで丸ごと改装した店内。
・座敷にはテーブルが置かれ、奥座敷、小部屋、庭を眺めるカウンター席、蔵や金庫の中、土間も合わせると約34~36席。離れは座卓。
・綿ビロードとも呼ばれる「別珍」が店名の由来。漆器の町らしく、店頭にはくろめ鉢が置かれ、漆器の販売も行なっている。
素晴らしい邸宅が解体されてしまうと聞き譲り受けました。想い入れのある地元の「早なれ寿司」を、この場所で守っていきたいと思ったのが始まりです。
近くの船尾市場で早なれ寿司の老舗「山忠」さんを営んでいた方を迎え入れ、またあの味を復活させることが出来ました。それと共に、70年来の手法をまた次世代へと伝授してもらっています。
懐かしい味を求めて来られるお客様、ここで食べてからファンになってくれたお客様、たくさんの人に愛されている味を広く伝えていければ。
自家製のシフォンケーキ、清水焼で提供するこだわりのドリップコーヒーもお勧めです。早なれ寿司はお持ち帰りが出来ますので、気軽にお立ち寄り下さいね。
鯖の骨を丁寧に取り、塩抜き、酢や調味料に漬け込む…ここまででも4~5日。寿司に握るまで、全て手作業。故に、日に握れる数には限度があるそう。
それを聞けば、一口でパクリと頂くのが本当に勿体ない。和歌山の郷土食である「早なれ」はほぼ全てが手作り。大変な作業を経て作られている味を、後世に遺すために私達にも出来ることはないでしょうか。
「茶粥」も昔ほど家庭では作られなくなっています…様々な想いを巡らせながらも、お粥をすすれば、ふっと和らぐような何だか懐かしい気持ちになれるのです*
(くう*)
| 店名 | べっちんさん |
| 住所 | 海南市黒江659 |
| 電話 | 073-488-3369 |
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。