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和歌山観光・お出かけ

わかやま神社仏閣めぐり|浄國寺(海南市黒江)

樹齢600年の樟が立つ「黒江のごぼうさん」。漆工の技を尽くした蒔絵の天井画は必見!

紀州漆器の名所、海南市黒江は瓦屋根と昔ながらの小路を残す、昭和の時代を体感できる町です。
そんな黒江の町を見下ろす船尾山に、浄土宗本願寺派・浄國寺があります。
浄國寺は別名「黒江のごぼうさん」。
「ごぼう」は「御坊」で、寺院や僧侶に対する尊敬をこめた言葉です。
敬われながらも地域の人々に慕われる、親しみのあるお寺だということがわかりますね。
「太鼓堂」。かつて時を知らせる太鼓を叩いたお堂です。
「太鼓堂」。かつて時を知らせる太鼓を叩いたお堂です。
「太子堂」。
「太子堂」。
境内は花に彩られています。
境内は花に彩られています。
2018年の台風21号で被害を受けた鐘撞堂。きちんと修復されました。
2018年の台風21号で被害を受けた鐘撞堂。きちんと修復されました。

樹齢600年!クスノキの巨木

浄國寺を訪ねてまず驚くのは、樹齢600年と言われる2本のクスノキの大きさです。
参道の坂道からは巨大な幹と根を、境内からは大きく空に広がる枝葉を見ることができます。
近くにいるだけでおおらかなパワーをたくさんいただけそうな大樹です。
参道から見たクスノキ。
参道から見たクスノキ。
たくましい根が張っています。
たくましい根が張っています。

伝統工芸の技!蒔絵の天井画

浄國寺のもう一つの見どころは本殿内陣の天井画です。
海南市黒江の漆工芸家・橋爪靖雄さんが手掛けた蒔絵の天井画で、すべての工程が手作業で行われています。
夜光貝やアワビなどの貝殻を薄く削って使う「螺鈿(らでん)」、蒔絵の装飾技法のひとつ「梨地(なしじ)」など、伝統的な漆工芸の技が集約されたものとなっています。


キイジョウロウホトトギスとカシオペア座。
キイジョウロウホトトギスとカシオペア座。
ペルセウス座とカラスウリ。
ペルセウス座とカラスウリ。
昨年、浄國寺内陣で偶然、橋爪靖雄さんにお会いし、お話を伺う機会がありました。
寺院の装飾は龍や天界など派手なモチーフが多く見られるのですが、橋爪さんの描かれているのは素朴な野の花や星座。どうしてそれを選んだのかをお聞きしたところ、
「星はずっと長い時間が経っても、必ずその季節の星座が巡ってくるね。野の花もそうやな。そんな季節の巡りを表したかったんやな。」
と穏やかに語ってくださいました。
そっと人の世に寄りそう自然界の四季…「黒江のごぼうさん」と親しまれる浄國寺ならではの天井画だと思いました。

浄國寺の内陣は
親鸞聖人の月命日にあたる毎月16日と、「紀州漆器まつり」(11月第一土曜日・日曜日)、「黒江めった祭」(6月上旬)が行われる時に公開されます。
普段は非公開ですので、天井画を見る際にはご確認をよろしくお願いします。

本堂の横には公園も

浄國寺の本堂を左手に回り込むと、すべり台やシーソーが置いてある広場に出ます。
小さな子供さんが走り回るのにちょうど良いくらいのスペースです。
また広場に沿って奥へ進むと、下りの階段があり、そこからは黒江の町が見渡せます。
懐かしくほっと息をつきたくなる、おだやかな風景です。

【黒江めった祭】

浄國寺境内より。黒江の町にメダカが泳ぐ写真を撮ることができました。(2018年撮影)
浄國寺境内より。黒江の町にメダカが泳ぐ写真を撮ることができました。(2018年撮影)
2019年6月2日(10:00~16:00)海南市黒江の「うるわし館」周辺で「黒江めった祭」が開催されます。
町歩きを楽しみつつ、ワークショップに参加したり、あちらこちらの出店で食べ歩きをしたり、謎解きゲームに参戦したり…。黒江の町を丸ごと楽しめるイベントです。



この日、浄國寺では天井画を制作した橋爪靖雄さんの工芸作品が展示され、13時半から1時間ほどご本人がおられます。

境内には「まめきど」(かき氷&コーヒー)・「hippo-po」(陶芸販売&ドリンク)・「丹白黄」(五平餅、おやき)・動産屋(古道具&チョークボードWS)が出店。
一日限りの神域でのカフェスペース、ぜひ足をお運びくださいね。
「黒江めった祭」詳しくはコチラ

【浄國寺】

【宗派】     浄土真宗本願寺派
【御本尊】  阿弥陀如来
【創建】     享禄5年(1532)

【所在地】   海南市黒江976
【電話番号】 073-482-1293
【アクセス】   JR海南駅から徒歩25分
                  JR海南駅から和歌山バス「黒江」下車、徒歩10分
                  JR黒江駅から徒歩20分
【駐車場】    参道に向かう途中に3台程度、参道の下に8台程度。(無料)




【真柴みこと】
息子二人の子育てを終えてから、フリーライターとして修業中。
写真と神社仏閣、自然の生き物が好きで、カメラを手に和歌山を駆け回っています。
* Instagram  028mikoto
*note  https://note.mu/028mikoto

2019/05/27