和歌山観光・お出かけ
わかやま神社仏閣めぐり|伊太祁曽神社(和歌山市伊太祈曽)
木の神様に参拝して「木の俣くぐり」を体験!伊太祁曽神社の見どころをご紹介します。
和歌山電鐵貴志川線「伊太祁曽駅」から徒歩5分、赤い常盤橋を渡ればすぐ目の前に大きな木の鳥居が現れます。
それが伊太祁曽神社です。
伊太祁曽神社はもともと、日前宮(和歌山市秋月)が現在建てられている地にお祀りされていたとのこと。
日前宮の創建が約2600年前なので、伊太祁曽神社の創建はそれよりまだ古い時代だったということになります。
由緒ある歴史の重みを感じますね。
伊太祁曽神社は紀ノ國一之宮にあたり、木の神様として有名な神社です。
境内にはどっしりと大きな木が立ち並び、注連縄の巻かれたご神木がゆうゆうと枝を広げています。
晴れた日には空の青と木々の緑のコラボレーションを楽しむことができます。
初夏には割拝殿から、あふれるほどの緑の木々が望めます。
二の鳥居もがっしりとした木造り。
鳥居の向こうの池には鯉がいて、社務所で購入したエサをやることができます。
たくましい木の根にも注目!
ゆったりと枝をひろげる木々に癒されます。
木の神様の父は須佐之男命(すさのおのみこと)
伊太祁曽神社のご祭神「五十猛命(いたけるのみこと)」は須佐之男命(すさのおのみこと)の息子です。
須佐之男命は天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋戸に引きこもる原因を作った、乱暴者とされる神様。天の岩屋戸での責任を問われ、天界の高天原から地上へと追放されてしまいます。
その時、父の須佐之男命と共に地上に降りたのが伊太祁曽神社のご祭神、五十猛命です。
五十猛命は父からさまざまな樹木の種を託されており、二人の妹、大屋津比売命(おおやつひめのみこと)・都麻津比売命(つまつひめのみこと)と共に日本全国に種を蒔いて回りました。
そのため、日本は緑豊かな国になったとの神話が伝えられています。
国土の緑化を終えたのち、五十猛命は妹たちと共に伊太祁曽神社にお鎮まりになり、ご祭神となったのです。
五十猛命は別名「いのち神」
伊太祁曽神社のご祭神・五十猛命(いたけるのみこと)は「大屋毘古神(おおやびこのかみ)」という別名で『古事記』にも登場します。
「因幡の白うさぎ」のエピソードで有名な神様、大国主命(おおくにぬしのみこと)が兄たちに命を狙われた際、木の俣をくぐって根の国に逃れられるようはからったのが大屋毘古神(五十猛命)です。
大屋毘古神の力で大国主命は命を落とすことなく難を逃れることができました。
その神話から大屋毘古神(五十猛命)は「いのち神」とも呼ばれています。
体験!木の俣くぐり
木の俣は大人でもくぐることができる大きさです。ぜひ体験して厄難除けを!
実は伊太祁曽神社では大国主命がくぐった「木の俣くぐり」を体験することができます。
割拝殿には落雷で倒れたご神木をお祀りしており、その穴をくぐる「木の俣くぐり」には厄難除けのご利益があると言われています。
100円の初穂料で「木の俣くぐり体験証明書」の発行も。
体験型の参拝は珍しいと思います。ぜひチャレンジしてくださいね。
伊太祁曽神社の厄除け絵馬
日本人なら誰もが気になるのが「厄年」です。
厄年には何となく消極的な気持ちになってしまいますよね。
ところが伊太祁曽神社には、その厄年を逆手にとる絵馬があります。
「厄」の字をさかさまにしてプラスの力に変えてしまう絵馬です。
この絵馬を奉納しておけば、厄年を気にせず活動的な一年を過ごせそうです。
伊太祁曽神社のお守り
伊太祁曽神社の授与所ではさまざまなお守りを購入できます。
伊太祁曽神社ならではのお守りもありますので、参拝の記念にもなりますね。
「氣」のお守りには邪気を祓う麻の袋に桧の御札が納められています。
旅行安全のお守りもあります。
さまざまな御神札も揃っています。
干支の顔絵馬はご自分で表情を描いて奉納します。子供に人気があるとのことです。
授与所では他にもおみくじや縁起物の木彫り、飾り絵馬なども購入できます。
ぜひ足をお運びくださいね。
伊太祁曽神社のご利益
伊太祁曽神社には、以下のご利益があります。
木の神様・五十猛命のご利益として「木材業・林材業の繁栄祈願、安全祈願」。
いのち神・大屋毘古神のご利益として「厄難除け」「病気平癒」。
また、父の須佐之男命が抜いた髭から杉、眉毛から樟が生まれ、それを「浮宝」(船)の材料に使うようにと言われた神話から「大漁」「航海安全」のご利益もあります。
伊太祁曽神社の御朱印
伊太祁曽神社では授与所で御朱印をいただくことができます。
御朱印は単なるスタンプラリーとは違い、お参りをした証となる大切なものです。
ノートやメモ帳ではなく、きちんと御朱印帳を作ることをお勧めします。
伊太祁曽神社の境内社
伊太祁曽神社には、多くの境内社がお祀りされています。
代表的なものがこの二社です。
祇園神社
須佐之男命・天照大神・埴安比売命(はにやすひめのみこと)をお祀りしています。
晴れた日の午後、木々の間から差す光に包まれた社殿は幻想的で美しいです。
御井社(みいのやしろ)
緑の中の細い道を進むと鳥居が見えてきます。
この井戸から自由にご神水をいただけます。
御井社には水の神様、彌都波能売神(みずはのめのかみ)・御井神(みいのかみ)をお祀りしています。
ご神水をいただける井戸があり、病気の人には元気を取り戻す霊力があると伝えられています。
社殿は2018年9月、台風21号の被害に遭われ、ご祭神は現在、境内の「蛭子神社」にお祀りされています。
ご神水をいただいた後は、そちらの方へお参りをお願いします。
伊太祁曽神社の境内カフェ「木洩れ日」
伊太祁曽神社の境内には、御井社のご神水で淹れたコーヒー(350円)がいただけるカフェ「木洩れ日」があります。
ご神水のコーヒーはとてもまろやかな味わいです。
私が訪ねた日には、神様からの御下がりのゴボウを使ったミニマドレーヌが付いていました。
古民家風の建物は昭和初期のもので、店内には扇垂木や格子天井など神社建築の様式がそのまま残されています。
「木洩れ日」の営業は土曜日・日曜日のみ(10:00~15:00)となっていますのでお気をつけくださいね。
伊太祁曽神社の所在地・交通機関
伊太祁曽神社
【所在地】 和歌山市伊太祈曽558
【電話】 073-478-0006
【参拝時間】9:00~17:00
【駐車場】 30台程度(無料)
【最寄り駅】和歌山電鐵貴志川線「伊太祈曽駅」より徒歩5分
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