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キラリ☆和歌山人

みんなが楽しめる新スタイル“スマートBBQ”を広めたい!

今回のキラリ☆和歌山人は、和歌山BBQ協会をご紹介します!

2020/04/10

和歌山BBQ協会 湯川佳紀さん
和歌山BBQ協会 湯川佳紀さん
BBQなど、アウトドアに興味を持つ人が多い今、和歌山になんと和歌山BBQ協会なるものがあるのを皆さん知っていますか?一体どんな団体なのか、どのような活動をしているのか、和歌山BBQ協会の事務所があるキッズレストランエジソン内を取材、同協会の湯川佳紀さんにお話を聞いてきました。

和歌山BBQ協会とは

―和歌山BBQ協会はどんな活動をされていますか?
日本BBQ協会の和歌山支部として昨年10月に発足しました。普段日本で目にするようなBBQとはちょっと違ったスマートBBQというアメリカンスタイルのBBQを知ってもらうための活動をしています。例会を開いて、安全で手軽に楽しめるBBQ方法や、衛生面、自然環境の事を学びます。さらにBBQ検定という検定をしていて、協会公認のインストラクターの資格を取得できます。BBQ好きから一歩踏み込んで、最新のBBQ技術やマナー、カルチャーを知ることができるんですよ。

―スマートBBQについて教えてください。
普段よく目にするBBQは、かたまり肉よりも薄い肉が好まれがちで、焼けたらすぐに手の空いてる人から食べますよね。焼く担当の人がいて、急いで焼く、急いで食べるといった日本人ならではの慌ただしさが感じられませんか?一方、私たちが目指す「スマートBBQ」は、すぐに焼ける厚めの肉から、その時のチョイスで調理に4、5時間かけるような塊の肉、数種類を炭や薪でじっくり焼くんですよ。焼き上がったらみんなで一緒に味わいます。

鶏を1羽丸ごと焼くことも。丸ごと焼いた野菜も絶品だそう
鶏を1羽丸ごと焼くことも。丸ごと焼いた野菜も絶品だそう
“ネイティブアメリカンが持つ斧”から名付けられた<br>“トマホーク”ステーキ
“ネイティブアメリカンが持つ斧”から名付けられた
“トマホーク”ステーキ
たくさんの種類のハーブが揃う<br>“ロックハーブガーデン”
たくさんの種類のハーブが揃う
“ロックハーブガーデン”
スマートBBQでは、時には10キロほどのかたまり肉を焼くことも!焼けるまでにお腹が空いてしまうかも、、、と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、カプレーゼやピンチョスなどの前菜とワインを楽しみながら、みんなであれこれ話をしてのんびり待つのもスマートBBQの醍醐味だと思います。その時自分たちが選んだワインと肉の相性を吟味してあれこれ話し合うのも楽しいですよ。

また、「ロックハーブガーデン」という小さなハーブ畑を作りました。お好みのハーブを摘んで肉の香り付けもできるんですよ。ハーブに興味のある人、特に女性に人気です。とにかくゆっくり、のんびり、みんなで楽しむ、これがスマートBBQの醍醐味と思います。
アウトドア、BBQへの興味のルーツは、自然や外遊びが大好きだった幼少時代、という湯川さん
アウトドア、BBQへの興味のルーツは、自然や外遊びが大好きだった幼少時代、という湯川さん
―和歌山BBQ協会を立ち上げたきっかけは?
元々、子どもの頃から自然が大好きで、虫を取ったり体を動かしたりしてよく外で遊んでいました。それが、今につながっていると思いますよ。
BBQは生活に決して必要な事ではありませんが、でも何故かやりたくなるような不思議な魅力があります。それで何回か回数を重ねるうちに、アメリカンスタイルスマートBBQがある事を知りました。のびやかにゆっくり流れる時間、心や体も満たされる感覚、そして何と言っても楽しい!参加する全員みんなが楽しんでいる…。こんなスローライフな魅力がスマートBBQにはたくさんあります。いろいろ調べてみると、作法、調理方法もとても奥深いんです!そして、スマートBBQで調理して初めて出会った肉や野菜、素材が持つ感動的な美味しさ。また、ゴミなど自然環境への配慮や、騒音などで他人に迷惑をかけないといった礼儀もきちんとあります。いろんな魅力を、たくさんの人に知って欲しくて協会を立ち上げました。
敷地に入ると、たくさんの植物が出迎えてくれます
敷地内にあるビュッフェスタイルのキッズレストラン「エジソン」
子どもが大好きな遊びのスペースも!

これがスマートBBQで味わえるお肉です!!

表皮を覆う黒い部分、これぞ“バーク”<br>コゲではありません!
表皮を覆う黒い部分、これぞ“バーク”
コゲではありません!
―薄い焼肉用の肉をちゃちゃっと焼いた事しかありません。厚みのある肉は、一体どんな風に調理するのですか?
お肉はブリスケという部位をよく使います。ブリスケは流通が少なくあまり知られていませんが、キメが粗く肉質は硬め。ただコラーゲンが多く含まれていて味が濃厚です。噛めば噛むほどに旨味が出る部位なんですよ。これを蓋つきのグリル窯に入れ、100度~150度の低温で調節しながら焼きます。チャンクスという、スモークに使う桜やリンゴの原木で香りづけもでき、味付けはシンプルに塩、コショウのみ。使っても「ラブ」というスパイスミックスくらいですね。それで十分美味しい。

―長時間焼くと、さすがに焦げてしまいますよね。
いえいえ、写真では表面が真っ黒コゲのように見えますが、実はこれ、「バーク」とよばれる肉の皮なんです。うまく焼き上がった証拠なんですよ。まさにこのバークが、プルップルでめっちゃくちゃ美味しいんです!長時間スモークすると肉の表面で化学反応が起こってできる物なのですが、肉の旨味とスパイス、スモークの香りが凝縮して、何とも言えない深い味わいがあります。一度食べると今までのBBQのイメージが180度変わりますよ。この味をみなさん一度体験してもらいたいですね。
必須のBBQグリル
ウェーバー”
スモーク機能付きのグリル。実物はあまりお目にかかれない
スパイス多種ありますが、一番最初は塩コショウで!
―肉の焼き方も奥が深いんですね。
そうですね、うまく仕上げるためには温度管理が一番大切で、調理用の温度計は必須アイテムですね。また、私たちのスマートBBQで三種の神器というものがありまして、「チムニースターター(火起こし器)」、「火消し壺」ともう一つは「水鉄砲」なんです。

―水鉄砲とは意外!(笑)
そうなんです。肉からしたたる油が炭に落ちて炎が出るとコゲの原因になるので、そんな時に炎の出る炭に水鉄砲でひと吹き。原始的な方法ですがこれが一番なんですよ。子どもだけでなく大人も楽しんでやってますね(笑)



三種の神器
肉を押さえて裂く
“ミートクローフォーク”
網目状の焼き目が付けられます

珍資格!BBQ検定について

―BBQ検定とはどんな試験ですか?何か資格を取得できますか?
日本BBQ協会が行っている、BBQのプロフェッショナルを目指すための“バーベキュー教育プログラム”です。座学に始まり、カルチャーや衛生面などを学んだ後、実際に調理器具を使って実施、肉を焼きます。もちろん焼き上がった肉の試食も。最後に筆記テストを行い合格すれば、バーベキューインストラクターという協会公認の資格を取得できます。

最近とても人気で、和歌山だけでなく関西中から興味ある人たちが集まり、1度に35名ほどが検定を受けに来られます。レクチャーから試験まで皆ガチ勝負、なのでアルコールは当然禁止。しかし終了後は親睦会“ジャンボリー”があり、そこでは自由に食事もお酒も楽しめて、それがまた良いんですよ。

レンタルスペース「BBQ LABORATORY」

―そしてずっと気になっているのですが、こちらの雰囲気がとても素敵ですね。
屋外だけどリビングのように効率よく使えて居心地の良いスペース、つまりこのアウトドアリビングでBBQを楽しんでもらおうというレンタルスペースです。BBQに必要な備品・道具一式が使えます。食材はこちらでもご用意できますし、お持ち込みも可能。インストラクターの専属スタッフが、セッティングや調理、後片付けをサポートするので、初めての方でも気兼ねなくお楽しみ頂けます。これからの季節、芝生コーナーの芝生が新緑にきれいになり、季節で植物の表情も違うので、そこもぜひご覧になってくつろいで頂きたいですね。

また、隣にはビュッフェスタイルのキッズレストランエジソンがあります。どちらも子ども連れのご家族様に心置きなくご利用頂きたいと思います。

春から夏にかけて芝生が新緑になります
春から夏にかけて芝生が新緑になります
いろんな道具がレンタル可能です。
いろんな道具がレンタル可能です。
最大45名まで入れます
最大45名まで入れます
ハンモックは子どもに大人気!
ハンモックは子どもに大人気!
―最後に、和歌山BBQ協会としてどんな活動をして行きたいですか?
アウトドアがブームで、BBQをする人も多いと思います。でもその中で一歩踏み込んで、BBQのプロフェッショナルになれるインストラクター検定がある事を知ってもらいたいです。仲間内のBBQを盛り上げたい人、取り仕切りたい人、BBQに詳しくなりたい人、そして何と言ってもBBQが好きな人にぜひオススメしたいです。

またBBQは自然の中で行い火を扱うので、安全安心のための知識を知って頂き、自然環境にも配慮したBBQが広がっていくと良いなと思います。そして、もっと技術を磨いて、行く行くはアメリカ、メンフィスで行われる「メンフィス・イン・メイ」というBBQのチャンピオン大会出場が夢です。それに出場して本場アメリカでBBQを楽しみたいですね!
編集後記
私自身、数年前からBBQやキャンプを趣味で始めました。でも肉を焼くスタイルは、湯川さんが推奨する“スマートBBQ”とは真逆の“薄い肉焼き&バタバタ食べ”。確かにこの方法では、焼き担当の人はみんなで食べられないし、ワインでゆっくりなんて余裕はありません。ゴミを極力少なく努力はするものの、結局紙皿や割り箸を使っています。アウトドアブームでBBQ場には利用客が増え、中には音楽を大音量でかけたり、生ごみを炊事場に放置する迷惑行為があったりと、私たちのマナーが問われています。人が楽しいだけではなく、周囲の人や自然環境にも配慮して行われるBBQ協会のスマートBBQ。こんなスタイルがある事を多くの人に知って欲しいと思います。
ライター:藤田有希子-福岡で地域情報番組のディレクターを経て、現在和歌山で子育て中。3子の等身大の子育て奮闘記を新聞等に寄稿している。