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【レポート】田道間守公1950年式年大祭 記念公演「橘とお菓子のものがたり」

みかんと菓子の神様「田道間守(たぢまもり)公」の式年大祭を記念して、すわん江戸村で記念公演が行われました。

むかしむかし、そのまたむかし…
この世には『トキジクノカグノコノミ』という不思議な実がありました。
一口食べれば、年を取ることなくいつまでも生きられるという何とも不思議な実。
みんなが欲しがる実、時の天皇も欲しがる実。
その実を手に入れるため一人の男が立ち上がる。
その名を『田道間守(タヂマモリ)』という。

作・演出 市川昇次郎

橘とお菓子のものがたり。

海南市下津町に鎮座する橘本神社(きつもとじんじゃ)は、柑橘や菓子の祖として、文化の神として広く崇敬される田道間守(たじまもり)公を奉祀する由緒ある神社です。
10月10日の「田道間守公1950年式年大祭」に合わせて、同じく海南市にある「すわん江戸村」にて記念公演が開催されました。

23日、24日の二日間、4回に渡って行われた公演には、橘本神社の宮司をはじめ近隣神社の方々、告知を見て訪れた親子連れ、初めてすわん江戸村に足を踏み入れた人や常連の皆さんが駆け付け会場は満席に。
(座席数を減らし、マスクの着用や消毒液の使用など、感染症対策を徹底して行われました)
田道間守が天皇の仰せ付けに従い、はるか異国の地へ不老長寿の実「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)※「橘」とされる」を探しに出たという言い伝えを演じた、劇団紀州。
海南地方の方言を使い、笑いの要素をふんだんに取り入れたお芝居はとても分かりやすく、笑いあり感動ありの展開に観客は惹き込まれていました。

劇の最後には、“お菓子の街・海南”をPRするためのテーマソング『しあわせの味』を劇団紀州の春菜美保さんが歌い、海南市のマスコットキャラクター「海ニャン」も駆け付けてダンスを披露しました。


二部の舞踊ショーでは、日高川町の道成寺に伝わる「安珍清姫」や、蜜柑を江戸まで運んだ「紀伊国屋文左衛門」などの和歌山にちなんだ逸話を舞いに。また、お子さま向けに大人気アニメの主題歌で舞う一幕も。

演劇を通じて地元の人でも知らない地域の歴史を伝え、また演劇を身近に感じるとても良い機会になったのではないでしょうか。
(くう*)

橘とは。

橘本神社
橘本神社
橘の木
橘の木
“右近の橘、左近の桜”で知られる「橘」は、ミカン科の常緑小高木で蜜柑の原種とされています。

「記紀」によると、第十一代垂仁天皇の命を受けて、田道間守(たぢまもり)は不老長寿の霊菓を求めて常世国(現在の中国とされる)に渡り、十余年の辛苦の末、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)すなわち「橘」を持ち帰るが、天皇は既に崩御されていました。
田道間守公が持ち帰った橘が日本で最初に移植されたのが「六本樹の丘」(橘本神社旧社地)と伝えられています。
この事から、この地はみかん発祥の地と云われ、橘本神社では10月に例大祭・みかん祭りを盛大に行ない、県内外の柑橘業者、果物業者が参拝し、渡御、獅子舞、投餅などを行なっています。

『しあわせの味』

「お菓子の街・海南」を市内外へPRしようと、海南市観光協会のお菓子部会が制作したオリジナルテーマ曲。昨年、市内の子ども達からフレーズを募集し、関西で活動する2人組のシンガーソングライターユニット「あやこと」が作曲と歌を担当して仕上げたもの。
歌は8月に市役所で寄贈式を開き、10月17日に発表会が開かれた。Youtubeでも公開中している。