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和歌山と「まことちゃん」の関係は? 橋本駅前のまことちゃん像に会いに行こう!

橋本駅前のまことちゃん像。右手のポーズは「グワシ」!
橋本駅前のまことちゃん像。右手のポーズは「グワシ」!
「楳図かずお」という漫画家が存在することは既にみなさんご存じのことでしょう。1960年代から少女誌で活躍し、その後ホラー漫画をたくさん描きました。『恐怖』、『洗礼』、『赤んぼ少女』など、身体の芯から冷えるようなホラーの語り手として有名です。

しかし、1976年から「週刊少年サンデー」に連載された『まことちゃん』で、楳図かずおさんのイメージは一変します。沢田まことという園児が繰り出すギャグが驚天動地の笑いを生み出す『まことちゃん』は一世を風靡し、劇場用アニメーションが公開され、グッズがたくさん販売されました。現在でも楳図さんと言えば『まことちゃん』だ、と言う人は多いようです。

その『まことちゃん』の主人公が橋本市にいるのをご存じですか? JRと南海電鉄の駅がひとつの駅舎にまとまっている橋本駅の正面玄関前には、まことちゃん像が建っています。

橋本駅前にまことちゃんがいるのはなぜ?

なぜ橋本市にまことちゃんが? それは楳図かずおさんと橋本市が、実はとても近しい関係にあったからです。まことちゃん像の設置の経緯について、橋本市商工会議所の豊澤康範さんにお話を伺いました。
まことちゃんの隣りには万葉歌碑。橋本市には万葉の歌碑がほかにもたくさんあります。
まことちゃんの隣りには万葉歌碑。橋本市には万葉の歌碑がほかにもたくさんあります。
2001年、橋本駅前商店街有志が「駅前一番計画」として、橋本駅前活性化のための活動をはじめました。フリーマーケットなどのイベントを開催したり、翌年からは国の助成を受けて「チャレンジショップ事業」に取り組みます。

豊澤さんの発案で、チャレンジショップ事業のオープニングイベントに、高野山生まれで奈良県五條市育ちの楳図さんにおいで頂きました。豊澤さんは1980年代のある頃、橋本市内の喫茶店でくつろぐ楳図さんの姿を何度か見かけたことがあったのだそうです。

楳図さんは若い頃から、五條市から橋本市までを散歩コースにしていて、歩きながら漫画の案を練っていたとのこと。仕事のために上京した後も帰省した際などに橋本市を訪れ、喫茶店に立ち寄っていたのでしょう。これを思い出した豊澤さんは、楳図さんの作品を手掛けている出版社に連絡を取ったのでした。

橋本市と楳図さんの御縁

楳図さんほどの大家になると、お声掛けしたところでなかなかおいで頂けるものではありません。しかし楳図さんは快くおいでくださり、このときにまことちゃん像の建立もご快諾くださったとのことです。

また、楳図さんは雑誌デビュー以前の1956年に、橋本市の広報誌に『オテンバ少女』という4コマ漫画を描き、掲載されています。このように、楳図かずおさんと橋本市には古くから御縁があったのです。

2002年に建立されたまことちゃん像は橋本駅で乗降する人々に親しまれ、すっかり街のシンボルです。まことちゃん像の足許にはカレンダーがありますが、このカレンダーの日付は像を製作し管理している「駅前一番計画」のメンバーではなく、街の「誰か」が毎日変えているのだそうです。
毎日、名も知れぬ親切な誰かが日付を合わせてくれるカレンダー。
毎日、名も知れぬ親切な誰かが日付を合わせてくれるカレンダー。
管理者が整えようとする前に、街の誰かが気づいて日付をその日のものにしてくれているのだということです。こんな風に市民に愛されるまことちゃん像に、みなさんも会いに出掛けてみませんか。いつもは園児服のまことちゃん像ですが、季節の折々には違った服装をしているときもあります。それもお楽しみに!
まことちゃん像
橋本駅正面玄関前
和歌山県橋本市古佐田1丁目4-51