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和歌山観光・お出かけ

わかやま神社仏閣めぐり|日前宮(和歌山市秋月)

町の中にありながら森のような神社、日前宮。その見どころをご紹介します!

わかやま神社仏閣めぐり

この「わかやま神社仏閣めぐり」ではまいぷれ和歌山編集部員、独自の感性で和歌山市とその周辺の神社仏閣をご紹介します。ぜひ、神様のパワーに触れてみてください。きっと清々しいリセットされたような気持ちになるはず。
秋も深まり、いよいよ行楽シーズンの到来です。
晴れた日には空が澄んで、ちょっとしたお出かけをしたくなりますよね。
そんな時、身近な神社仏閣を回り、神仏のパワーをいただくのはいかがでしょうか。

実は和歌山市とその周辺には由緒ある神社仏閣がたくさんあります。
古来、鳥居や山門の内側は神聖な場所とされ、町中にあっても豊かな自然が守られてきました。
また、神仏のご利益があるからこそ、神社仏閣が何百年にも渡って受け継がれているのだとも考えられますよね。
昨今では、神社仏閣の個性的な御朱印を集めるのもブームとなっています。

ここでは神仏のパワーと自然の癒しをいただける場として、和歌山市とその周辺の神社仏閣をご紹介します。

                                                                            

日前宮

和歌山駅からほど近い場所にある日前宮は、全国有数の歴史ある神社です。
日前宮が創建されたのは神武天皇二年、なんと約2600年前となります。
毎年9月26日に行われる最も重要な祭事「例大祭」は約2600年の間、一度も絶やさずに現在まで受け継がれてきました。
信仰の力はすごいですね。

日前宮ってどんなところ?

真っ白な鳥居をくぐり日前宮の参道に足を踏み入れると、ほどなく頭上はうっそうとした照葉樹に覆われます。
がさがさと音を立てて木々の間をシロハラやヒヨドリが飛びかい、足元には澄んだ木もれ日が揺れています。
和歌山市の町中にありながら、まるで森の中にいるような雰囲気です。

2600年もの間、神域として守られてきた境内には一種独特の空気感があります。

ご神気を受けつつ歩けば、ほどなく参道はT字路に。
右に進むと「國懸神宮(くにかかすじんぐう)」、左に進むと「日前神宮(ひのくまじんぐう)」のお社があります。

「日前宮」は格式の高いこの二社を合わせた名称となっています。
「國懸神宮(くにかかすじんぐう)」
「國懸神宮(くにかかすじんぐう)」
「日前神宮(ひのくまじんぐう)」
「日前神宮(ひのくまじんぐう)」
さて「國懸神宮」と「日前神宮」、どちらからお参りするかは参拝者の直感次第です。
お友達やご家族と共にお参りをする場合でも、それぞれの直感に従ってご縁の深い方から参拝することをお勧めします。
境内には苔の中に、小さなキノコが生えていることも。
境内には苔の中に、小さなキノコが生えていることも。
秋には参道にドングリがたくさん落ちています。
秋には参道にドングリがたくさん落ちています。

日前宮と「天の岩屋戸」神話のつながり

日前宮は古事記の中でも有名な「天の岩屋戸」のエピソードと深い関わりがあります。
簡単にあらすじをご紹介しますと…

天界も地上もあまねく照らす太陽神、天照大神(あまてらすおおみかみ)。
慈愛に満ちた女神様です。
しかし弟神の須佐之男命(すさのおのみこと)はたいそうな乱暴者
で、ある日、捕まえた馬の生皮を剥ぎ、その死体を神聖な天の機織り場へ投げ入れたのです。
その騒ぎで機織り女の一人は血を流して死に、神聖な場は穢れてしまいました。
そして、そのすべての様子をご覧になった天照大神はショック
のあまり「天の岩屋戸」の内側に引きこもってしまったのです。

太陽神・天照大神が姿を隠してしまったために、天界も地上も闇に覆われ、作物は枯れて疫病が流行り始めました。
そこで一計を案じたのが思兼命(おもいかねのみこと)という神様です。
思兼命の指図のもと、神々はにぎやかな祭りをはじめ、「天の岩屋戸」の前で踊り歌い酒を酌み交わしました。
さすがの天照大神も、楽しそうな外の様子が気になって仕方がありません。
ついに
「何が起こっているのか?」
と岩屋戸の内側から神々に問いました。
踊り手として場を盛り上げていたアメノウズメが、
「天照大神様よりも、もっと素晴らしい神様がおいでになったので皆がよろこんでいるのです。」
と答えると、天照大神はその神様を見てみたいと岩屋戸の岩を少しだけ開けました。
素早くそこへ別の神が、あらかじめ用意していた鏡を差し出します。
鏡に映った自分の姿を、天照大神は新しく来た神様だと思いこみ、
「なんと美しい神ではないか。」
と、もっとよく見ようとまた少しだけ岩戸を開けました。
とたんに力自慢の神が岩戸を引き開け天照大神を引っ張り出して、再び世界には太陽の光があまねく満たされるようになったということです。

日前宮には神話時代の鏡が!

実は「天の岩屋戸」神話での「鏡」が日前宮と深いつながりを持っています。
この神話で天照大神を映した鏡は「八咫鏡(やたのかがみ)」と呼ばれ、代々の天皇家が継承してゆく「三種の神器」のひとつです。
その八咫鏡に先立って、同じように天照大神のために作られた「日像鏡(ひがたのかがみ)」と「日矛鏡(ひぼこのかがみ)」が、日前神宮と國懸神宮、それぞれのご神体となっています。
日前宮には神話時代に作られた二つの鏡が、現在でもご神体としてお祀りされているのです。

一般的にご神体は公開されるものではありませんが、拝殿の奥に神話時代の鏡があると思えば、とても遥かな気持ちになりますね。

日前宮のご利益

日前神宮には合格祈願の絵馬がたくさん掛けられています。
日前神宮には合格祈願の絵馬がたくさん掛けられています。
日前宮の主な祭神は太陽の女神、天照大神です。
天照大神はあまねく太陽の光を与えるように、日々の生活への活力を満たしてくださいます。良縁・結婚・家内安全という、生きるための基本に対してのご利益があります。
また、祭りの一計を案じた神様「思兼命(おもいかねのみこと)」をお祀りしている日前神宮は学問でのご利益もあるとされています。

日前宮のお守り

日前宮の授与所では、さまざまなお守りを購入することができます。
神社でいただくお守りは参拝の記念にもなりますし、神様に身を守っていただけると思えば心強いですね。
願いがかなう鈴の御守   700円<br><br>
願いがかなう鈴の御守 700円

えんむすびの御守   1000円
えんむすびの御守 1000円
十二支根付御守   各600円
十二支根付御守 各600円
除災招福・火難消除御守   1000円
除災招福・火難消除御守 1000円
日前宮の授与所にはもっとたくさんの種類のお守りがあり、干支の縁起物やお札なども購入できます。
参拝の際にはぜひ足を運んでご覧ください。
(お守りの画像は日前宮公式サイトよりお借りしています。)
【日前宮公式サイト】
http://hinokuma-jingu.com/

日前宮の御朱印

日前宮で御朱印をいただく際には、お参りをする前に社務所へ御朱印帳を預け、参拝後にいただいて帰ります。

御朱印は単なるスタンプラリーとは違い、お参りをした証となる大切なものです。
御朱印を集める場合はノートやメモ帳ではなく、きちんと御朱印帳を作ることを
お勧めします。

日前宮のご神体・ご祭神

*日前神宮
・ご神体  日像鏡(ひがたのかがみ)
・ご祭神    日前大神(ひのくまおおかみ)天照大神の別名です。
・一緒にお祀りしている神様 
     思兼命(おもいかねのみこと)
     石凝姥命(いしこりどめのみこと)八咫鏡とご神体の鏡を製作した神様です。

*國懸神宮
・ご神体  日矛鏡(ひぼこのかがみ)
・ご祭神    國懸大神(くにかかすおおかみ)天照大神の別名です。
・一緒にお祀りしている神様 
     玉祖命(たまおやのみこと)
     明立天御影命(あけたつあめのみかげのみこと)
     鈿女命(うづめのみこと)踊り手のアメノウズメです。

車いすでの参拝について

参道はすべて砂利となっていますので、車いすを押す介助の方が必要です。
授与所付近の砂利は少し深めですが、参道は砂利が浅くなり車いすが進みやすくなります。

また「日前神宮」には車いす用のスロープがあり、拝殿前まで進めます。

「國懸神宮」にはスロープがなく、車いすでは拝殿鳥居の外側からの参拝になりますが、境内はすべて神域ですので、神様にきちんと参拝したこととなるそうです。

日前宮の所在地・交通機関

日前神宮・國懸神宮

【所在地】 和歌山市秋月365
【電話】    073-471-3730  (受付時間 8:00~17:00)
【駐車場】 最大100台の駐車場があります。(参拝時には無料)
*太鼓橋・西門は車両進入禁止ですので、車は東門からの入場となります。

【最寄り駅】  ・和歌山電鉄貴志川線「日前宮駅」より徒歩1分
                  ・JR「和歌山駅東口」より徒歩20分


真柴 みこと 
息子二人の子育てを終えてから、フリーライターとして修業中。
写真と神社仏閣、自然の生き物が好きで、カメラを手に和歌山を駆け回っています。
* Instagram  028mikoto
* note             https://note.mu/028mikoto    

2018/11/22