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ママタイムズ

先輩ママの子育てコラム「今だから気づくこと」【2】

おだやかな長男がいきなり弟に暴力。その理由は…

2018/11/29

長男ショウはごく幼い頃から、とてもおだやかな子供でした。
二歳違いの弟ユウマは生まれつき乳児湿疹がひどく、その上に慢性中耳炎と喘息が。
病院へ行っている間、兄のショウはおばあちゃんと一緒にお留守番をすることとなるのですが、
「僕、ええで。おばあちゃんと留守番すんのも楽しいし。」
と、まったく平気な顔をしていました。

ユウマの中耳炎が悪化して入院、手術となり、私が一週間病院に泊まり込んだ時もショウは平静で、担任の保育士さんに、
「お母さんが家にいないとは思えないほど、ショウくん、いつもとまったく変わらないですね~。」
と、驚かれたくらいです。
(このショウの“出来過ぎた態度”は、のちのち大きなマイナスとして表に出てくるのですが、それはまた別の機会に…。)

ショウが小学四年生、ユウマが小学二年生まで成長した時点でも、ショウは我の強い弟にゆるやかに合わせていて、またユウマも兄の思いやりをわかりつつワガママを通しているところがあり、ずいぶん仲の良い兄弟に育ったように思います。

ところが、そんなある日のこと…

兄ショウがいきなり…

その日、晩ごはんの支度をしていた私は、バン!と大きな物が倒れる音にびっくりしました。
「痛い、痛いっ!」
いつもとは違う弟ユウマの叫び声にあわててお鍋の火を止め、カウンター越しにリビングをのぞきこむと、そこにはユウマを突き倒し、くるぶしの上をぐりぐりと踏みつけている兄ショウの姿が!
「こらっ!何してるの!足が折れる!」
台所を飛び出し、ショウの頭をペンッとはたいた後で、私は、しまった、と思いました。
普段、ショウはこんな乱暴なことをするタイプではありません。
(きっと、何かあったんだ…。)
ショウの様子に気付かず、いきなり頭をはたいたのは失敗でした。
でも、とりあえずは痛くて泣いているユウマをなんとかしなくてはなりません。

倒れたままのユウマを抱き起し、
「ユウマ、足、動かせる?」
「うっ…うっ…痛いけど、うごく。」
「よし、じゃあ骨も関節もOKだね。大丈夫、ゆっくりなでてたら治るよ。」
「うん…けど、ショウはめちゃくちゃや。なんでこんなひどいことするんや!」
「……。」
突っ立ったまま固まって、黙り込んでいるショウに、
「ショウ、いつもとは違うよね。弟にこんなこと、いつものショウはしないよ。何かあった?」
たずねたとたん、ショウはポロポロ涙を流しはじめました。

ぽつりぽつりショウが話すのを聞いてみると、担任の先生との関係で、とても納得のゆかないことがあったとのこと。
それがきっかけで、お友達との関係までギクシャクしてしまったこともわかりました。
「明日、学校へ行ったら…いつも通りみんなと遊べるかな…。」
ショウのもやもやした気持ちが、ふざけているうちに弟への暴力となって出てしまったようです。

「いつもと違う」ときには

無理を押し通そうとしたり、乱暴になったり、そんないつもとは違う態度を見せる時、息子たちの場合は背後に何か別の理由があることが多かったです。
まだそれに気づかなかった頃は、
「今日に限ってなんで!」
と、態度の悪さにイライラして、まともに息子たちを叱っていました。
でも何度も同じことを重ねているうち、次第に「いつもとは違う」ときのパターンが見えてきたのです。

成績、友人との人間関係、親との関係など、子供たちは小さな体にたくさんのストレスを抱えこんでしまう時代です。
普段より明らかに様子が荒れている場合には、その後ろに何かが隠れていないか、ちょっと探ってみてくださいね。
【真柴みこと】
息子二人の子育てを終えてから、フリーライターとして修業中。
写真と神社仏閣、自然の生き物が好きで、カメラを手に和歌山を駆け回っています。
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