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キラリ☆和歌山人

故郷和歌山に笑顔の恩返し|お笑いコンビ「すみたに」

今回のキラリ☆和歌山人は、和歌山のテレビやイベントMCでお馴染み、様々なジャンルで活躍中のお笑い兄弟コンビ「すみたに」さんです!

2020/09/24

同じ場所に居るだけで、笑顔とおもろいトークでその場の雰囲気をパッと明るくしてくれる“兄と弟”。数々のイベントで魅せてくれる軽快なトークには、しみじみと家族のイイ話もあったりして、つい足を止めて聞き入ってしまう。そしていつの間にかみんなを一緒に巻き込んで、ププッと笑わせてしまっている…。名前ではピンと来ない人でも、和歌山県民ならば、「紀三井寺はやし」のCMでお馴染みではないでしょうか?そう、あのニコニコ笑顔の兄ちゃん2人が、和歌山出身兄弟お笑いコンビの「すみたに」です。
お笑い芸人としてはもちろん、イベントの司会から、ラジオDJ、自ら取材して記事を書いてのリポートまで、様々な分野で活躍中。最近では、来年の10月に開かれる紀の国わかやま文化祭の広報キャラバン隊隊長に任命されました。企業や商店などの施設にポスターを貼ってイベントをPRしようと、県内市町村の津々浦々を回り、広報活動に励んでいます。

みんなを笑顔にして、気持ちをほっこりさせてくれるアットホーム感たっぷりのトークは一体どこから生まれるのか?「すみたに」の素顔に迫るべく、結成時のお話や地元和歌山への思いを聞きました。

お笑いコンビ「すみたに」プロフィール

左:角谷匡俊(すみたに まさとし・兄)
・ボケ担当
・1976年06月17日生
・広瀬小学校→城東中学校→星林高校→NSC22期生

右:角谷佳洋(すみたに よしひろ・弟)
・ツッコミ担当
・1979年12月27日生
・広瀬小学校→荒川中学校→貴志川高校→大阪デザイナー専門学校

NSC卒業後、大阪・東京で7年間の活動を経て、2011年より和歌山を拠点に和歌山放送ラジオ「すみたにの全開水曜日」、テレビ和歌山レギュラー出演、TBS「モニタリング」、毎日新聞「すみたにのわかやマニア」連載や和歌山県でのイベントMCを数多く担当。また、「紀三井寺はやし」などCMにも出演中。和歌山市観光発信人。2019年、ねんりんピックキャラバン隊隊長。
紀三井寺はやしのテレビCM
紀三井寺はやしのテレビCM
イベントのMCとしてもお馴染み
イベントのMCとしてもお馴染み

結成~大阪・東京での下積み時代

ネタ作りは兄・まさとしさん。
ネタ作りは兄・まさとしさん。
‐‐‐結成のきっかけを教えて下さい。

兄:僕が大阪の専門学校に向かう電車の中で、毎朝友達と喋ってたんです。そしたら“話がおもろい!”と友達が他の友達を呼んで3人になり、噂を聞きつけた知り合いやらいろんな人が同じ車両に乗り込んで来るようになって、気が付いたら阪和線で独演会みたいになってましたねぇ。
本格的に笑いの道に進もうと、大阪に出てNSC(吉本総合芸能学院)に入ったんですが、相方探しが結婚相手を探すようなもんで、とても難しいんですよ。笑いの相性やセンスの合う人が見つからない。地元和歌山の友人を誘ってみたものの、今の仕事や環境を変えてまで「お笑い」の世界に付いて来てくれる人がいなくて、それで最後の最後に声をかけたのが弟だったんです。兄弟だけあって笑いのツボやセンスが似てたんでしょうね。
芸人の傍らマネージャーもこなす弟・よしひろさん。
芸人の傍らマネージャーもこなす弟・よしひろさん。
‐‐‐結成当時は辛い事も多かったですか?

弟:和歌山に戻るまでの大阪で7年、東京で2年はいろんな会場やイベントに出させて頂きました。前座をやる時、登場早々に「帰れ!」とヤジを飛ばされるなんてことは日常茶飯事でしたよ。

兄:でもそんな中で、大阪で念願のソロステージをさせてもらう事になったんですよ!集まったお客さんは300人。当日まで寝る間を惜しんで練習積んで、準備万端でステージに上がりました。お客さんは皆僕ら目当てで来てくれてるし、絶対大笑いして帰ってもらう!、、、はずだったそのステージで、まさかの“駄々すべり”ですよ(笑)。一個も笑いを取れず、ほんとガッカリ、目の前真っ暗でステージを降りました。
わざわざ和歌山から家族も楽しみに見に来てくれたんですけどね。それで楽屋で会った時に、家計が苦しい事を知らされたんですよ。あの時ばかりはね、僕らもうダメかなと思いましたね。
2004年 M-1グランプリ予選にて
2004年 M-1グランプリ予選にて
2005年 M-1グランプリ予選にて
2005年 M-1グランプリ予選にて
大阪時代、先輩芸人たちと。すみたに弟(一番左)、兄(一番右)。
大阪時代、先輩芸人たちと。すみたに弟(一番左)、兄(一番右)。
弟:だけど、厳しい時でも唯一母だけは応援してくれてました。どんな苦しい事があっても、母の「辞めるな、頑張れ!」という言葉に支えられて続けて来たけど、その母が2010年に脳梗塞で倒れまして、それがきっかけで一旦芸人を辞めて和歌山へ戻る事にしたんです。

兄:苦しい事が多かったけれど、大阪、東京で芸人仲間がたくさんできたことは自分たちの宝物ですね。

和歌山での再起

弟:母の介護をしながら「やっぱりお笑いがやりたい!もう1度和歌山でやってみよう」という事で、再スタートしたものの、和歌山での活動もすんなりという訳ではなかったですね。

兄:大阪や東京では「お笑い」という文化が根付いてます。だけど和歌山は、大阪・東京に比べるとそもそもお笑いの文化の広がりが小さい事を痛感しました。司会でショートコントを織り交ぜてみても、和歌山では終始振り向いてくれない大人ばかりだった。「お笑いが好きだから、とりあえず見てみよ」という大阪の気風とは違うものを感じましたね。

ウインズ平阪さんとの出会い

‐‐‐ウインズの平阪さんとはどんな出会いでしたか?

兄:きっかけは、和歌山放送のラジオ出演です。そこで、ウィンズの平阪さんと出会いました。和歌山でまだ仕事が少なくて、不安ばかりだった時に声をかけてくれた恩人です。「苦しい時は、抱え込まずに素直に人に言う。和歌山の人は根が優しい。苦しい事を伝えたらきっと助けてくれる。」と言ってくれました。そこから自分たちも変わったと思います。


ラジオ共演でウインズ平阪さん(上)と
ラジオ共演でウインズ平阪さん(上)と
弟:自治会の小さなお祭の司会でも何でも、仕事の大小にこだわらず、お声がかかればどこにでも出向きますし、何でもさせて頂いています。子どもの頃、桃山町に住んでいたことがありまして、決して長い期間ではないけれど、当時お世話になったことを覚えてくれていた自治会長さんから直々にご連絡を頂き、桃山町のお祭りのMCを今でもさせてもらっています。ご連絡頂いた時は驚いたし、本当に本当に嬉しかったです。人とのつながりの大切さ、ご縁を大切にする人の温かさを痛感しながら今、仕事をさせてもらっています。
桃山町でのイベントにて
桃山町でのイベントにて
ねんりんピックキャラバン隊での様子
ねんりんピックキャラバン隊での様子
‐‐‐和歌山に戻って来てもうすぐ10年ですが、どんな気持ちでお仕事されてますか?

弟:ステージイベント、大好きなんですよ!!みんなの前に立たせてもらって、僕らの司会で動いてもらったり、ステージもお客さんも全員が一つになって、流れが出来ていくのが嬉しくて、本当に楽しくさせてもらっています。
椅子に座っているお客さんに全員立って下さい、とお願いする事があって、でも立ってくれない人って何人かはいますよ。だけど「お父さん、ちょっとだけでいいから、ね、ちょっとだけ」と、うまくお願いすれば、立ってくれて…、いろんな人が居るけれど、またそういう人が居るのもいいんですよ。
‐‐‐MCやラジオトークでは、どんな事を意識してお話されていますか?

兄:MCでステージに上がる時には、毎回、客層やイベントの趣旨を自分たちなりにかなり調べますね。今日、ここに来るお客さんたちを絶対笑顔で帰すぞ!と、開始前には100%の自信を持って、ステージを始めています。ラジオでも、「この話の核は何やろ?」って、「話の核」を探して、それを大切にしてますね。

弟:和歌山に帰ってきたばかりの時は、一生懸命面白い事を話そうとしても、振り向いてさえくれない人も多かったけど、だけど10年経って今、そう人はほとんどいない気がします。町を歩いたら、声をかけてくれたり、イベントでも「すみたに兄弟来てるな」って、わざわざ足を止めて僕らの話を聞いてくれたりする人が増えたなぁ、と思います。声をかけてくれるのはホント嬉しいです!

兄:和歌山に帰ってきて良かった、とつくづく思います。帰って来なかったら、人の心の温かさとか和歌山の良さをこのままでは知らなかったかもしれないですね。

紀の国わかやま文化祭2021にかける思い

2020年8月4日『紀の国わかやま文化祭2021』キャラバン隊隊長に任命された「すみたに」兄弟
2020年8月4日『紀の国わかやま文化祭2021』キャラバン隊隊長に任命された「すみたに」兄弟
‐‐‐紀の国わかやま文化祭の告知のため、2021枚のポスターを貼るという大使命を請け負ったポスター2021プロジェクト。活動されていかがですか?

兄:実は、高野山や北山村でポスター貼りをした時に、僕らを知ってる!という人にお会いできなかったんです(笑)。他にも同じような市町村はまだまだあります。アポなしの突撃依頼、普通だったら迷惑だろうし、話なんて聞いてもらえない事も覚悟していましたが、趣旨を説明すると、皆さん快くポスターを貼らせてくれて、「頑張って!!」と応援してくれる方ばかりでした!

弟:お店で売っている商品を差し入れてくれたり、北山村ではアイスクリームを食べさせてくれたお店もありました。たくさんの優しい人たちに会える良い機会を頂いてます。
‐‐‐わかやま文化祭、どんな文化祭にしたいですか?

この紀の国わかやま文化祭、まだ知らない方が多いので、県民全員に知って頂きたいです。キャラバンをしていると、健常者や身障者、男女、年齢層幅広い出会いがあります。その誰もが笑顔になって楽しく参加できて、和歌山の良さを改めて感じてもらえるような文化祭にしたいと思ってます。
「まいぷれ和歌山」の本社があるユタカ交通にもポスターを貼って頂きました!
「まいぷれ和歌山」の本社があるユタカ交通にもポスターを貼って頂きました!
‐‐‐最後に将来の希望を教えて頂きたいのですが。

兄:兄弟だけでなくいろんな人を集めて大人数の座を作り、笑いを届けながら日本全国の舞台を回れるような、そんな活動をしてみたいですね!

弟:えっ!?・・・そうなん???

兄:そうやろ!
◆◆お笑いコンビ「すみたに」出演情報!◆◆

〇毎日新聞「すみたにのわかやマニア」掲載中
〇和歌山放送ラジオ「すみたにの全開!水曜日」水曜13:00~16:34(生放送)、「ウインズ平阪の紀州和歌山へ」毎週土曜日10:10~10:20 いろんなお店から生中継でリポートを担当。
〇テレビ和歌山「わくわく編集部」第1金曜日担当。
〇すみたに公式YouTubeチャンネル「すみたにチャンネル」動画UPしています!

ぜひぜひお楽しみ下さい!!
和歌山放送ラジオ「すみたにの全開!水曜日」
テレビ和歌山「わくわく編集部」
和歌山放送ラジオ「ウインズ平阪の紀州和歌山へ」

こちらもご覧下さい!

~編集後記~
すみたに兄弟のなんだか温かいトークは、厳しい下積み時代を経験しつつ、心の痛みがわかる兄と弟だからこそにじみ出る技だと感じました。厳しい時代を乗り越え、和歌山の人の温かさに触れ、声をかけてもらったり助けられながら成長してきた「すみたに」兄弟。和歌山の人々に笑顔の恩返しがしたいという熱い思いがたくさん溢れていました。

ライター:藤田有希子
福岡で地域情報番組のディレクターを経て、現在和歌山で子育て中のライター。3子の等身大の子育て奮闘記を新聞等に寄稿している。