地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、和歌山の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

メニュー

和歌山の地域情報サイト「まいぷれ」和歌山市

キラリ☆和歌山人

みんなが集まって情報交換をする。その核となる場所を提供したい。

パブリックハウス ザ・キャッスルバーオーナー 伊村正明さん

2018/01/08

和歌山でキラリと輝く活動をされている方を紹介する「キラリ☆和歌山人」。今回は、「パブリックハウス ザ・キャッスルバー(Public House THE CASTLE BAR」のオーナー伊村正明さんを取材してきました。大阪生まれ、元キリンビール和歌山支社長の伊村さんが気づいた、和歌山の魅力。独立して駅前にパブをオープンさせた、その思いとは?

和歌山は自分を成長させてくれた場所

――伊村さんは大阪出身と聞きました。和歌山に来たきっかけというのは何だったのでしょう?

はい、私は大阪で育ちました。和歌山に最初に来たきっかけは日本臓器製薬という医療関係の製品を扱う会社に就職し、営業担当が和歌山になったからでした。和歌山担当は私だけでひとり放り出された感覚だったのを覚えています。さらに当時の和歌山のイメージは言葉も乱暴でガラが悪いなあ、というイメージをもっていました。もちろん営業も一筋縄ではいかず、会ってもらうまでに1年、2年とかかる病院もありました。

それでも営業として大メーカーに対峙しなければならなかったので、だれも教えてくれないなら、自分自身で自分の人間力・営業力を鍛えないといけないと考え、和歌山の県民性を分析・試行錯誤しながら営業に励みました。
――和歌山が初めての場所だったからそれに気付かされたということですね?

はい、今思えば人と接する為に身に着けないといけないスキルや立ち振舞、考え方を考えるきっかけを与えてくれた町といえますね。
その後は大阪に戻り8年間働き、バブル時の転職ブームをきっかけにキリンビールに就職しました。全国各地を営業で担当した後、52歳の春に人事異動で和歌山の支社長を担当させて頂く事になりました。何十年ぶりに、駆け出しの頃の場所「和歌山」に戻ってくることになり運命的なものを感じました。

――支社長として戻ってきた後、和歌山のイメージに変化はありましたか?

まず、支社長として戻ってきてびっくりしたのは前任・前前任が地元の人と上手くコミュニケーションをとっていたことです。ビール業界や酒業界の人だけでなく、様々な異業種と付き合いが深かったので最初から努力しなくてもスムーズにコンタクトを取ることができました。キリンビールとしても「地域密着型の営業をしていきましょう」という戦略だったのでそれを上手く体現しているなと。とても感心しました。

また、前任の支社長がやっていた和歌山放送ラジオ「つれもていこらキリン」を引き継ぎ、「うまいが一番和歌山」として和歌山の旨いもんとその地域の魅力を伝えるラジオのお仕事も5年間させて頂きました。そこで関わった方々やラジオを聞いた方とご縁がどんどん繋がっていきました。その中で和歌山には素材がたくさんあり、美味しいものがたくさんあるとこの時初めて気づきました。

その後、役職定年が57歳だったので退任を視野にいれる時期になりました。役職は定年なのですが、またキリンに在籍する事ができました。しかし、人との繋がりができた事や他のたくさんの経営者の方々と接し刺激されて自分でも何か出来るのではないか、と自分の中で独立したいという気持ちが湧いてきました。
キリンビール時代の伊村さん(一番左)
キリンビール時代の伊村さん(一番左)

後押ししてくれた3つの事。

――なるほど。ではどのようなきっかけで独立し、このキャッスルバーを開業したんでしょうか?

まず、先程お話した人との繋がりがたくさんできたこと、
そして、女房の一言、物件との運命的な出会い3点がきっかけになっています。

――最初は奥さんに反対されていたんですよね?

そうなんです。定年前に女房に独立したいと話したのですが「65歳まで会社に在籍出来るのに。」と反対されていました。しかし、色々な状況が重なって女房も和歌山に住む事になり、その時にポロッと「和歌山っていいところだね」と言ったんです。その一言が和歌山でやっていこうと後押ししてくれました。その後は徐々にお店のイメージを話したりして理解して貰えるようになりました。

――物件の運命的の出逢いとは?

まず、場所との出逢いですが元この場所にあった老舗の居酒屋「丸万」が得意先で榎本社長とご縁がありました。ある時、たまたまお昼ごはんを丸万に食べに来ていてその時に社長の奥さんが、この物件の「3Fが空いたので誰か借りる人いないかな?」と聞いて来てこられました。その時に「来年3月で退任なのでなにか自分で何かやりたいとおもっている」と言ってその時はそのまま終わりました。
次の日虫の知らせのように、なんとなく足を運んだら今度は榎本社長がいて「3月辞めるって聞いたんだけど、ここ、3月でやめようと思っている。1Fを何か使ってくれないか?」と言われました。毎朝この前を通って通勤していて、ここでお店をやれば流行るとおもっていたので何かに導かれるように、あれよあれよと物件が決まりました。ずっと思ってたことが現実になった事で和歌山で開業してみようと決めました。

アイリッシュパブは和歌山向きだと仮説していた。

――ではなぜパブに?そもそもアイリッシュパブってなんですか?

パブというのはパブリックハウスの略で直訳すると公共の場所という意味です。アイルランドなどでは教会とパブが当たり前のようにある町がほとんどで、教会は子供が集まるのに対してパブはお酒が飲める公共の場所という位置づけです。元々の発祥はいろんな人が行商してきて売り買いをする場所でフリーマーケットのイメージでした。
その後色んな形態を経て情報交換や異業者交流の場所として使われるようになり、パブは世間の情勢や、今話題になっていることをみんなで議論しあう場所になっていきました。
和歌山や地方はもっとお酒が飲めてみんなが集って情報交換する場所が必要だとキリン時代から仮説していました。地方だからこそ、そういう場所が必要ではないか。その後、キリンビールの関係でアイリッシュパブのデザイナーさんにも出逢い、これもトントン拍子に外装・内装などが決まっていきました。
ひときわ目立つ、キャッスルバー外観。
ひときわ目立つ、キャッスルバー外観。
――それで和歌山にはパブが必要と感じたのですね。

そうです。地方の人は都会へのあこがれがあり都会っぽいおしゃれなイメージが好きだと思います。
業態的にはアイリッシュパブがおしゃれだし、色あいがきれいで地方にはないものですよね。どちらかというと、灰色とか茶色の多い暗い色の居酒屋がおおい中で奇抜だけど気軽に飲める場所を提供したら少しでも地方の元気に繋げれるのではと思いました。
和歌山の人からするとちょっと背伸びした業態が「自分の町にもおしゃれな店が出来た」と胸をはって言えるし、他県から来た人には和歌山にもこんな店ができたんだなと思ってもらえると思いました。また、都会的でいて内装は和歌山をテーマにしていたり、メニューは和歌山の素材を活かしたものを出しています。
これを「グローバルゼーションとローカリゼーションの融合」といいます。全世界規模の考え方と地方独自の発想を融合させたものを具現化させたのがこのアイリッシュパブです。
大勢の人で賑わう。
大勢の人で賑わう。
色合いが奇抜でおしゃれな内装。
色合いが奇抜でおしゃれな内装。
――なるほど。「キャッスルバー」を開いてみて伊村さんの中で和歌山人のイメージは変わりましたか?

仮設は正しかったと思っています。和歌山の人にも潜在的に受け入れる受容体はあって全国でめずらしいキャッシュオンがすごく馴染んでいます。(最初に注文し会計する事)逆に東京の方がここに来た時になにそれってわからない人の方が多いです。その点は和歌山の人って柔軟なんだな、と。

ただ、30年前と違うところは和歌山人は自分の県を自虐しすぎていると感じています。30年前に来た時は和歌山人が自分らが一番、和歌山が一番とおもって生活していたと感じました。和歌山にはものすごく美味しいものがたくさんあるし、お城のある都市に住めている事をもっと誇りに思って欲しい。そしてもっと和歌山人自身が和歌山のいいところに気づき、それを発信していって欲しいと思っています。
海外の方(インバウンド)にも和歌山を発信できる。
海外の方(インバウンド)にも和歌山を発信できる。
――最後に、今後の展望は?

まだオープンして半年なので当面、試行錯誤しながら、楽しみながらやっていきたいと思っています。「自分が楽しんでスタッフが楽しんでお客さんが楽しむ」。自ら楽しさを発信していかないと人にも楽しんで貰えないと思っています。今はこの店の思いをブラッシュアップしていき、とにかく和歌山の方にこの場所を認知してもらって、和歌山の皆さんを元気にしたいですね。将来の展望はその後ですね。
みんなが集まって情報交換をする。わたしはその核となる場所を「パブリックハウス キャッスルバー」として提供していきたいと思います。

店名:パブリックハウス ザ・キャッスルバー(Public House THE CASTLE BAR)
住所:640-8342 和歌山市友田町4-91
TEL:073-488-5903

詳しい情報はコチラ

編集後記

一度、キャッスルバーにお邪魔したことがありますが色んな年代の方大勢で賑わっていました。もちろん、キャッシュオンという形態にもマッチし、レジ前で知らない人同士で会話が広がっている様子も見受けられました。パブというひとつの業態が、和歌山で受け入れられていると言うことですね。和歌山県民より和歌山をよく知っているのは伊村さんかもしれません。
仕掛ける時はキャッスルバーを通して打ち出していく、ともお話させていたので、今後どんな展開になっていくのか、楽しみです。