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キラリ☆和歌山人

自分の「好き」からスタート、あなたの「好き」を応援

BOX*0 オーナー 岡本朋香さん

2017/07/20

和歌山でキラリと輝く活動をされている方を紹介する「キラリ☆和歌山人」。今回は、レンタルスペースとDIYスペースが融合した「Handmade Produce Shop BOX*0(ハンドメイド プロデュース ショップ ボックス ゼロ)」のオーナー岡本朋香さんを取材してきました。
ーはじめまして!まず、BOX*0というのはどういった場所か教えてください。

BOX*0は、空きビルをカフェ風にリノベーションしたスペースです。使い方は大きく分けて2つあります。1つは【レンタルスペース】として、講座やイベント、教室、商談、サークルのお昼を食べる場所など、時間制で借りてもらって好きなように使っていただくことができます。2つめは【DIYスペース】として、BOX*0主催のDIY教室や、DIY個人レッスン、材料の販売も行っています。
また、BOX*0ではクリエイター登録をしてくれた方を企業にご紹介したり、コラボやイベントを提案する【プランニング】という活動もおこなっています。
レンタルスペース
レンタルスペース
DIYスペース
DIYスペース
ーなるほど。1つの場所で2つの“スペースの使い方・楽しみ方”が出来るんですね!

はい。BOX*0は単に鍵を貸すだけのスペースではなく、クリエイターさんたちや、DIYを習いたい人たちに寄り添った使い方を意識しています。

ー寄り添った使い方、とはどういうことですか?

「初めて講座を開く」「初めてイベントを企画した」など、初めて何かに挑戦する方たちにとって、決めなければいけないことが多く不安がつきものです。そこで、【レンタルスペース】としてお使いいただく場合、希望者には金額設定や集客といった部分の相談から決定まで、一緒にフォローします。

【DIYスペース】としては、実際にDIYをやりつつも、DIYだけではできないこと、工務店などに相談しないとできない家の工事などもあったりします。でも、公務店や企業に直接相談するのって判断が難しく勇気もいります。そこでまず、BOX*0が相談に乗りアドバイスをしたり、必要であれば業者の紹介もしています。

【プランニング】は、企業とクリエイターさんとの間にBOX*0が立ち、イベントや企画の取りまとめを担当します。現在では住宅メーカーと組み、イベント企画にBOX*0のクリエイターさんを紹介、値段交渉もどちらか一方が損や嫌な思いをせずに済むよう、仲介のお仕事をしています。
ーなるほど。それぞれクリエイターさんたちをバックアップしてくれるのですね。

そうです。園芸・木工・ファッションアドバイザー・会計士・占い・マッサージ・ライターなど現在クリエイター登録は100名以上です。そんな幅広いクリエイターさんたちの助っ人として相談にのり、企業と繋いでいく。ここがクリエイターさんたちがBOX*0をリピートしていただける強みでもあると考えています。

私自身、ワークショップに参加するのが大好きなので、単純に講座やイベント内容に興味があると、お金を出して生徒として参加することもありますが、助っ人として入る場合はイベントの盛り上げ役や、基本マナーについて主催者にアドバイスします。
そばにいることで、安心感を持ってイベントに集中していただければと思っています。

ー相談に乗ってくれたり、アドバイスしてくれたりと、本当に心強いですね!

やはりお金をもらって講座を開く以上、「プロ」となるわけですが、初めて行うことで精一杯の方も沢山いらっしゃいます。そういった時、そっと「ここはこうした方がいいよ」など、気づいたことはお伝えするようにしています。それに、こうやって一生懸命“スタート”をする人の支えになるのって嬉しいものなんです。

2つの好き、を1つに。諦めなくても良いということ。

ーレンタルスペースとDIYが1つの場所になったのは、どういったきっかけでしょうか?

それは、どちらも「私がしたかったこと」なので、単純にこの場所で両方を叶えようと思ったからです。この場所と出会うまでは、「どちらか、1つを選ばなければいけない」とずっと考えていましたが、それは間違いだと気づきました。
BOX*0ができる前
BOX*0ができる前
ーでは、最初から2つを1つにする考えは無かったということですか?

そうです。2つの内どちらも選べずにずっと悩んで悩んで、三年悩み続けました。というのも、当時住宅メーカーに勤めており、建築関係の仕事が本当に大好きだったので、辞めてしまうという選択が難しかったのも1つ。また、レンタルスペースはハンドメイドを始めたことがきっかけで「やってみたい」と思った事業だったので、どうにか形にならないかとこちらも諦めがつきませんでした。

ーハンドメイドの経験がなぜ、レンタルスペース事業へ繋がったのですか?

それは、私が親しい友人たちとグループを組んで、布小物などを作るハンドメイドを趣味からスタートし、イベントへ出店なども行っていました。その中で出会ったクリエイターさんやワークショップの先生など、仕事やママ友以外で新しい交友関係が広がっていきました。そんな時、クリエイターさんたちから聞いたのが「スペースについての悩み」でした。

ースペースについての悩み?

和歌山では、カフェなどを使い講座やワークショップが頻繁に開かれています。ですが、カフェだと貸切でない限り他のお客さんの話し声や、周りが賑やかすぎてワークショップに集中できない、落ち着かないと困っている声をよくききました。
また、私自身もっとクリエイターさんたちが「活きる」スペース作りをしたいとも考えていました。私がハンドメイドで知り合ったり、見てきたクリエイターさんたちの中には更なるステップアップのためのサポートを必要としている人もいました。そんな人たちにとって、自身が活きる場があればいいのにと自然と考えるようになりました。それがレンタルスペースを考えたきっかけです。

ーでは、DIYスペースはなにがきっかけだったのですか?

私の父が設計事務所を営んでいたので、小さい頃から工具や日曜大工などがとても身近なものでした。私は空間や設計図を見るのも大好きで、大学を卒業したあとから住宅メーカーで仕事を始めましたが、まさに「天職」だと心から思えました。何をしても楽しく、辞めたいと思ったこともありませんでした。

ー建築関係のお仕事が大好きだったからこそ、新たなビジネスをするにあたって色々悩まれたという事ですね。

そうなんです。ただ、先ほど話したとおり、空き物件だったこの場所を見た瞬間、点と点が繋がるように「両方やりたいことを叶えよう」と思えたのです。その後すぐに物件を契約し、友人でDIY経験が豊富な北林敦子さんにBOX*0の講師をお願いしました。
これで、私が大好きな建築関係の仕事はDIYを通じてずっと関わり続けられる上に、ある程度場が整えばレンタルスペースとしてスタートすることもできました。価格は出来るだけ安く設定し、入り口のハードルを下げ沢山の方が気兼ね無くこの場を使って欲しいと考えています。
ー1つに絞るという固定概念を捨て、2つを叶える方法を選んだことで岡本さん自身どんな喜びがありましたか?

今年の9月でBOX*0は3年目を迎えます。はじめは、私が好きなこと・やりたいことを形にした場でしたが、ここから実際にプロへと飛び立った人が現れたことです。
最初は素人で単にカメラ好きだった方が、BOX*0で開かれたカメラ講座をきっかけに、プロへと進み現在も活躍されています。ここを繋がりの場として、才能が花開く瞬間を身近で感じられることは本当に嬉しいです。
成長していく、人のフォローが出来る、これがBOX*0を続けてきて何より嬉しかったことです!

情報の受信と発信、輪になる場所へ

ーBOX*0は岡本さんの好きからスタートして、他の方の好きを支えているんですね。

私は「何も出来ない、才能も無い」と思っているので、ワークショップやイベントなどで沢山の才能溢れる方のお話や講座を見て、聞いて、新しい世界を学ぶのが本当に楽しいんです。そんな才能に溢れた人たちが1人でも多く、企業とコラボを行ったりワークショップで誰かに教えたりと、作品が世の中に出るきっかけや、誰かの選択肢として「やりたいことが1つしか叶わない」ではなく、「諦めない」という形に向いてくれればと思います。

ー最後に、今後BOX*0がどういった場所になればいいとお考えですか?

単なるスペースではなく、コミュニティーになっている、「人と人・企業・お客さん」と全部が繋がってくれる場所にしていきたいです。情報の受信・発信で大きな輪を作りたいと思っています。
和歌山だけでなく今も県内外から沢山の先生や生徒さんたちが訪れてくれます。そのため、新しい情報もキャッチすることができるのです。そうすると、次はその情報を求めている人に向けたイベントを開いた時に、交流が生まれ、情報が広まります。そうやって交流の場、
知識を深める場へと、BOX*0を成長させていきたいです。
BOX*0 ホームページFacebook
〒640-8152 和歌山県和歌山市十番丁15 市川ビル4F(1F和民が目印)

編集後期

人が何かを「始めるとき」、とても不安になってしまうのは誰でも同じだと思います。そんな時、相談にのってくれる、フォローしてくれる、活躍の場を一緒に広げていくお手伝いをしてくれる、そんなBOX*0の親身になってくれる姿にとても感動しました。
岡本さんは、「鍵を貸すだけのスペースとは違う」「もっと才能のある方が活躍する場を持ちたい」と、そんな風に“誰か”のことを思う熱い気持ちを語ってくれました。今後、クリエイターさんたちのスタートの場としてもBOX*0を中心に広がっていくのが非常に楽しみです。