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キラリ☆和歌山人

木村竹志さん:紀州レンジャーズ球団代表

2012/12/19

今回は紀州レンジャーズ球団代表の木村竹志さん(旧姓:石井 毅さん)にお話を伺いました。
箕島高校のエースとして甲子園春・夏連覇、社会人野球から西武ライオンズへ。
「黄金時代を築いた 石井投手」と聞けば懐かしく思い出される方も多いのでは?
プロ退団後、「野球で地元和歌山をゲンキにしたい」との想いから紀州レンジャーズを立ち上げた木村さん。
知られざる球団運営の苦悩話から、今後の展望までいろいろ語っていただきました。
一人では実現できないことも、野球を通して培った仲間と力をあわせれば可能になります
一人では実現できないことも、野球を通して培った仲間と力をあわせれば可能になります
まいぷれ-- 紀州レンジャーズ 設立のきっかけについて教えてください。

木村-- 所属していた住友金属の野球チームが合理化策から活動を終了することになったんです。
野球王国和歌山にとっては寂しいこと。和歌山には地域愛を持ち、野球に理解があるファンがたくさんいる。
その人たちがまとまれる場所が必要だと感じました。
野球にかける夢が捨てきれない若い選手が活躍する場所としても社会人の野球チームは必要です。
独立リーグとして彼らを育成し、プロを目指してもらいたい。思いっきり野球をさせてやりたい。
野球人生を歩んできた自分に与えられた使命!と確信を持ったんです。
2008年に県民参加型の球団『紀州レンジャーズ』を結成しました。

まいぷれ-- 球団運営以外にも取り組みは多岐に渡っていますね。

野球のチームを作ることで3つの目的を達成したいと考えています。
1.青少年の健全な育成
2.地域活性化の役割
3.スポーツ振興
この3つを柱として、いろいろな事業を展開しています。
その一つ、青少年育成として取り組んでいるのが『絆―キッズ育成プロジェクト』。このプロジェクトの中で、子ども対象の富士登山を毎年夏に実施しています。

「わざわざ富士山に登らなくても、近くの山でいいのでは」との意見が周囲から出たことも。
「日本一の山」に登ることに意味がある!と富士山にこだわっています。

日本一の頂上までたどり着いた達成感を子どもの時期に味わうことが重要なんです。
頂上まではしんどいけど、登り終えたら案外簡単に思えるもの。
「日本一ってそれほどでもないな、よし、他のことにも挑戦してみよう!」
子どもたちを前向きに、挑む気持ちを引き出してやりたいんです。

登るためのトレーニング合宿を受けて日本一の頂上に挑む子どもたち。
頂上までの道のりは厳しく途中座り込んでしまう子も出てきます。
そんな時、私は「下りるのも自分の足、登るのも自分の足。どっちにする?」と子どもたちに選択させます。
立ち上がってまた歩き出す姿、高山病にかかり、目標かなわず下山する子たちが流す悔し涙・・・。
毎回その姿に心打たれますね。

まいぷれ--  努力を重ねて達成できる体験をさせることで何か得るものがあるはず。“日本一”を何度も経験された木村さんの言葉には説得力があります。!(^^)!

木村-- 子どもの時期に得た自信は生きる力のもと、見えない力になります。その後の人生に生かして欲しいと思います。

紀州レンジャーズの選手に対しても同じ想いです。選手には青少年に夢を与えられる、お手本となる存在であるようにと常々話して聞かせています。

まいぷれ-- ジュニアからプロまで育成する。紀州レンジャーズは『大きな学校』のようですね。

木村-- プロを目指す選手をプロに上げるように育てるのも目標ですが、結果が出なかった選手には諦めさせて別の道に進むように説得するのも私の役目です。
野球を通して培ってきた人脈で就職口の世話もします。
野球に打ち込めたのは支えてくれた人たちのおかげ。社会に出て恩返しをしてもらいたいと思っています。
将来和歌山を代表するような選手を育てたい。それが活動の原点です。
将来和歌山を代表するような選手を育てたい。それが活動の原点です。
まいぷれ-- 紀州レンジャーズの今後の展望について教えてください。

木村-- 紀州レンジャーズは県民参加型という立場からNPO団体としての運営にこだわっています。知名度は上がってきたものの、スポーツビジネスとしてはまだまだ資金繰りで厳しい状況。
スポンサー、サポーターを募集したり、スポーツクラブを運営したり、農地を耕して野菜を作ったりと運営資金を得るために多角的な活動をしています。

少年野球教室では青少年の健全な育成を願うと同時に野球人口の裾野を広げることを目的としています。
「野球王国 和歌山」の名を後世に引き継ぎ、未来のトップアスリート誕生に繋がればと思っています。

**********  編集後記  **********

地域のために全力投球!
和歌山をゲンキにしようと温めているアイデアはとどまるところを知らず。木村さんの挑戦はまだまだ続くとのこと。
和歌山スポーツ界復興への熱い想いを聞かせていただき、私もゲンキをいただきました!(^^)!
今後の紀州レンジャーズ、木村さんのご活躍に期待したいと思います。