イチオシ情報
土や植物から生まれた自然素材での染色を古民家カフェ・黒江ぬりもの館で体験しました。
ベンガラ染めに使う染料はすべて自然素材。
薬品を使わず、水だけで染まる自然素材の染料をご存知ですか?
染料はベンガラ・松煙・インド藍など土や植物由来の素材のみ。
それを水に溶かして、布にもみこむだけのシンプルな染め方です。
しかも紫外線による染めの劣化がありません。
そんな自然素材での染色を、築160年の古民家カフェ「黒江ぬりもの館」にて体験してきました!
自然素材ベンガラ染めの講師は『古色の美』小渕ユタカ先生です。
先生が用意してくださった、染色に適した綿素材の白いエプロンを皆で染めてゆきます。
まずはベンガラ泥染めによる「絞り染め」
最初にエプロン全体を染める「絞り染め」。
思い思いの部分の布をつまんで輪ゴムで縛ります。
つまみかたや大きさで絞りの感じが変わるので、それを想像しつつの作業です。
まずは先生が一連の工程を。
水だけで染まる自然素材の染料なので、工程の流れをすぐに見せていただくことができます。
水にベンガラ泥染めの染料を溶かします。
輪ゴムで縛ったエプロンに染料をもみこみます。
赤、次に黒、と染め分けて輪ゴムを外せば完成!
染料として使うベンガラ泥染めは全部で24色用意されています。
使う土や焼成温度を調整して揃えられた天然素材の色です。
この24色を組み合わせ、オリジナルの色を作って染めることもできます。
「先生、明るい黄色が欲しいな。」「赤、もっと濃く染めたいんだけど。」「緑色って作れるかな。」
それぞれのリクエストに応えて、先生が水に染料を溶かしてくださいました。
自然素材の染料は素手で扱っても大丈夫です。
染めた後はすぐに輪ゴムをはずし、絞り染めの染まり具合を確認。
想像したとおりになっていたり、想像を越える事態が発生していたり…それもまた絞り染めの楽しいところです。
それぞれの色合いに染まったエプロンを黒江ぬりもの館の裏庭で乾かします。
板塀と庭の緑と自然素材のベンガラ染めがしっくり合って、まるで昭和にタイムスリップしたような風景です。
ちょっとランチタイム
エプロンを乾かしている間に皆でランチタイム。
今回は「黒江ぬりもの館」粕汁ランチ付きのワークショップです。
「黒江ぬりもの館」の粕汁は、黒江の蔵元「名手酒造」の名酒・黒牛の酒粕入り。本格的な漆の器でいただく、野菜たっぷりの粕汁です。
そこに黒米入りのおむすび、切り干し大根が付いています。
食後のコーヒーと共に、皆でほっこり美味しくいただきました。
「海南雛めぐり」に合わせたお雛様も可愛かったです。
いよいよベンガラ型染め
午後からは型紙を使った型染めです。
型紙はすべて先生の手作り。
さまざまなデザインのフクロウや北欧神話の魚の神様、空を渡ってゆく鳥の群れ、シンプルな小鳥。大小に咲きほこる花や繊細な文様、「ベンガラ染め」のデザイン文字、そして埴輪の型紙までありました。
型紙を見ているだけでわくわくします。
型を置いて
ブラシで円を描くように染料を刷り込みます。
くっきりと染められたフクロウ。
あまりにも魅力的な型紙がたくさんありすぎて、また自分の絞り染めの地色との相性なども考えると、迷ってしまってなかなか決まらず…。
皆でおしゃべりをしながら大いに悩んで、エプロンに図柄をのせてゆきました。
ベンガラ染めのエプロン完成!
型染めが出来上がれば、アイロンをかけ染料を定着させて完成!
エプロンはそれぞれ、とてもやさしい自然な風合いに仕上がりました。
「黒江ぬりもの館」の前で記念撮影です。
『古色の美』小渕ユタカ先生のベンガラ染めは自然素材の染料を布に移すものなので、水とバケツとベンガラ染めの染料があれば、日常の中で染色を楽しむことができます。
布も天然素材を使えば、最後にはすべてを土に返せます。
もともとベンガラ染めは家屋の壁塗りに使われていた染料の由。
木造家屋の防虫の役割も果たしていたそうです。
その自然素材の染料を使って、やさしい色を身にまとう楽しみ…それがとても手軽にできることに驚いた、今回のベンガラ染め体験でした。
『古式の美』詳しくはコチラ 古民家カフェ「黒江ぬりもの館」では、今回のようなベンガラ染め体験だけでなく、さまざまなワークショップが企画されています。
カフェとしての利用もできます。
ぜひ「黒江ぬりもの館」Facebookをチェックしてくださいね。 古民家カフェ「黒江ぬりもの館」
〒642-0011
所在地 和歌山県海南市黒江680
電話 073-482-5321
メール mail@kuroe.info