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気軽に手軽に利用できる! 和歌山県人権啓発センター

みなさんは普段「人権」を意識することはありますか?

自分には関係ない話題だ、人権なんてややこしいこと考えたくない、人権侵害とか差別とかいまの時代にはもうないんでしょ……そんな風に思っていますか?

いいえ、その反対です。人権はこの世に生まれたからには誰でも持っていますし、とても身近なことだし、誰もが持っているものだから誰かが傷つけてしまうことも多々あります。

人権は、みなさんの「身体」と同じようなものです。みんなが持っていて、いつも自分と一緒にあって、無意識に、ときには故意に、自分やほかの人のそれを傷つけてしまうことがある。これは、どんな人も例外ではありません。

すべての人が自分の人権を守り、ほかの人の人権を侵さない「人権尊重の社会づくり」を進めること、その啓発活動に取り組んでいるのが、公益財団法人和歌山県人権啓発センターです。

では、誰もが持っている「人権」とは、具体的にはいったいどんなものでしょう?

そもそも、「人権」って何?

「人権」とは、具体的に言うとどんなものなのでしょう。和歌山県人権啓発センターの職員の方にお話を伺いました。
みなさんが「人権」という話題にふれたとき、よく聞くのが「人権とは人が幸せに生きるための権利です」というフレーズかと思います。これはどういうことでしょうか。

職員さんによると権利とは、「してもよいこと」、あるいは「しなくてもよいこと」です。つまり人権とは「幸せに生きるためにしてもよいこと」、「幸せに生きるためにしなくてもよいこと」と言えましょう。

身近な例をいくつか挙げてみましょう。みなさんは次のようなことをしてもいいのです。

・好きなデザインの服を着る
・歌いたい歌を歌う
・髪を長く伸ばしてもいいし、短く刈り込んでもいい


「当たり前のことじゃないか」と思いましたか? そうです、当たり前のことなんです。自分が自分らしく生きること、その権利を持っていること。それはすべての人に当てはまる当たり前のことなのです。

「してもよいこと」がある一方で、同じように「しなくてもよいこと」もあります。したいことをする、やりたくないことをやらない。これらを選択する自由があるということ。それを誰にも妨げられないということ。これが「権利がある」ということです。

和歌山県人権啓発センターはどこにある?

和歌山市手平にある県民交流プラザ和歌山ビッグ愛
和歌山市手平にある県民交流プラザ和歌山ビッグ愛
身のまわりの人権について、思い当たるところはあったでしょうか? もっと人権のことを知りたいな……と思った人は、ぜひ和歌山県人権啓発センターをご利用ください。

センターは、和歌山市手平にある和歌山ビッグ愛というビルの2階、エレベータを降りて右手にあります。人権に関する本やビデオなどの資料を取り揃えた人権ライブラリーや、人権に関する講座やミーティングなどに利用できる人権ギャラリー(研修室)、そして人権啓発センターの事務所が並んでいます。

人権啓発センターの施設(1)人権ライブラリー

人権ライブラリーにある本やビデオはライブラリーでの閲覧もできますし、貸し出しも行っています。どなたでも利用できますので、覗いてみてください。本は5000冊以上、ビデオはVHSが400本以上、DVDも120本超という豊かなライブラリーです。このすべてが、なんと無料で利用できます。

人権啓発センターの施設(2)人権ギャラリー

人権ギャラリー(研修室)は会議や勉強会などを開催するのにちょうどいい部屋です。椅子・テーブル・スクリーンが常設されていて、センターの催しに使用される以外にも、使用目的が人権に関する活動であれば一般の人も無料で利用することができます。

和歌山県人権啓発センターはどんなことをしている?

人権啓発センターにある人権ライブラリー。出入り自由で無料です。
人権啓発センターにある人権ライブラリー。出入り自由で無料です。
県民のみなさんが日常の中の人権に気づくためのきっかけをつくるお手伝いを、人権啓発センターはしています。そのひとつひとつを詳しく見ていきましょう。

講座の開催

県民のみなさんに人権について知り、考えて頂くための講座を不定期に開催しています。講演や講座でお話を聞いて頂いたり、参加体験型イベントで実際に身体を使っての体験を通して普段の生活を見直して頂くなど、さまざまな年齢層を対象に、できるだけ多くのみなさんに楽しんで頂けるかたちで開催できるよう工夫しています。

詩・ポスターの募集、展示

詩は例年「人権の詩(こころのうた)」として募集しています。「人権啓発ポスターコンテスト」も例年開催。いずれも優秀作品は「ふれあい人権フェスタ」で表彰・展示しています。この催しに応募して頂いたり、優秀作品を見たり読んだりして頂くことで、年に一度くらいは人権について考えて頂けるよう運営しています。

「ふれあい人権フェスタ」の開催

毎年11月に和歌山ビッグホエールで開催している催しです。
さまざまな種類・規模のNPO団体が一堂に会して、パネル・資料の展示や車体験型ブースなど、ここでしかふれることができない情報・体験を提供するブースを出展し、子供から大人まで幅広い年齢層のみなさんに楽しんで頂けるようになっています。屋外ではフリーマーケットや食べものの模擬店などもありますよ。

相談員による人権相談

嫌がらせされてどう対処していいか分からない、学校や職場でいじめを受けている、納得できない理由で就職を断られた、などなど……そういった人権に関わる相談に、センターの相談員が電話で対応しています。
ご希望の方は面談も可能です。祝日と年末年始(12月29日~1月3日)以外の月曜日~金曜日午前9時~午後4時の間に受け付けています。相談は無料です。電話番号073-421-7830。

弁護士による法律相談

毎月第2・第4木曜日の午後1時~午後4時の間は弁護士に人権に関する相談を相談することができます。こちらは1組につき40分に限ります。面談のみなので、予約が必要です。第2・第4木曜日が祝祭日の場合は翌日に行ないます。無料。まずは電話で連絡を。電話番号073-435-5420。

和歌山県人権啓発センターが和歌山の人たちに望むことは何ですか?

「人権」と言うと堅苦しく、接しにくいイメージを持つ人はとても多いようです。

しかし、どんな人も、ほかの人や世の中から大切にされて、常に自由に生きられる社会が必要だということは、みなさんご理解のことと思います。誰もが粗末に扱われることなく、自分が思った通りに生きることを邪魔されないという当たり前の社会をつくることと、人権について考えることは、とても密接に関係しています。

和歌山県人権啓発センターでは各種講座やふれあい人権フェスタの開催だけでなく、人権啓発冊子の発行、資料となるパネルやビデオの貸し出しなども行なっています。いずれも無料ですので、県民のみなさんには気軽に、積極的にご活用頂きたいです。

和歌山県人権啓発センターはいつも県民に向けて開かれています

職員の方は「『人権』を考えるきっかけは、生活の中に溢れています」と仰います。

「目が見えない」というだけで小説を楽しむことができないの?
「男性である」というだけで涙を流してはいけないの?
「成人していない」というだけで性の話に加わってはいけないの?
「同じ性の人同士」というだけで結婚できないの?

世の中には「不公平」がいっぱい。この不公平は、人としての権利=人権を奪ってはいないでしょうか?

ここまで述べてきました通り、人権は特別なものではなく、誰もが持っていて、決して侵しても侵されてもいけないものです。不当にいやな思いをさせられたり、誰かがそのような目に遭うのを見たりしたら、和歌山県人権啓発センターで調べたり訊ねたり、相談したりしてみてください。人権啓発センターは、そのためにあります。
公益財団法人和歌山県人権啓発センター
和歌山県和歌山市手平2丁目1-2 和歌山ビッグ愛2F
073-435-5420(第2・第4木曜日の弁護士相談もこちら。人権相談電話は073-421-7830)
mail@w-jinken.jp
月~土曜日 9:00~17:45