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「じんけん絵本セレクション」に参加してきました。

みんなで絵本を読もう!
みんなで絵本を読もう!
「じんけん絵本セレクション」という催しに参加してきました!

「人権」と言うと、「重い」とか「堅苦しい」とか「面倒くさい」とか、思っていませんか? 人権は確かに大切なものですが、重いとか堅苦しいとか、それは間違ったイメージです。そんな特別なことではなく、どんな人にとってもとても身近なものです。

「じんけん絵本セレクション」は身近なものに楽しくふれる、気軽な催しです。下記の日程で開催されました。
開催日 2019年2月13日(水)
時 間 午前10時~午前11時
場 所 和歌山県人権啓発センター研修室(和歌山市手平2-1-2 和歌山ビッグ愛2階)
定 員 20人
参加費 無料
主 催 公益財団法人和歌山県人権啓発センター

みなさんは生活の中に人権を感じたことはありますか?

先ほど述べたように、人権は特別なものではありません。人として生まれたなら誰もがみんな持っていて、みなさんの生活の中にも常にあるものです。水や電気やガスと同じように、人権も人が生きる上でとても大切で、日常に欠かせないものです。

そのことを、子供と家族の人とで楽しく学べる催しが「じんけん絵本セレクション」です。和歌山県に住んでいるか、通勤・通学している人ならどなたでも参加可能な催しで、この日は筆者のほか、市内の保育園の園児のみなさんと先生方がご参加でした。

「じんけん絵本セレクション」ってどんなイベント?

靴を脱いでリラックスできる会場で催されました。みなさんきちんと靴を揃えて上がっています。
靴を脱いでリラックスできる会場で催されました。みなさんきちんと靴を揃えて上がっています。
「じんけん絵本セレクション」は、大人から就学前の子供まで誰もが楽しく読める絵本を通して人権について感じてみよう!という企画です。しかし、難しいものでもお堅いものでもありません。実はとても楽しい!

先ほども述べたように、人権はどんな人にもあって生活の中にいつもあるということ、そして、私たちの地元・和歌山には人権啓発センターというところがあって、いつでも気軽に遊びに行ける場所ですよ、ということを、みなさんも知ってください。

人権啓発センターは和歌山市内のランドマーク・和歌山ビッグ愛の2階にあります。和歌山ビッグ愛という建物には誰もが自由に出入りすることができます。もちろん、センターも誰でも自由に訪れて構いません。

センターではたくさんの人に楽しんで頂けるように、また人権の話に親しんで頂けるように、年に数回の催しを行っています。「じんけん絵本セレクション」もそのひとつです。絵本を読んで、参加者みんなで歌って遊んで、仲よくなれる催しでした♪

「じんけん絵本セレクション」の絵本は4作品

みなさん興味を持って前のめりに絵本に集中しています。思うことを自由に話し合う人も。
みなさん興味を持って前のめりに絵本に集中しています。思うことを自由に話し合う人も。
「じんけん絵本セレクション」で行なわれたのは次の3つです。

・絵本の読み聞かせ
・手遊び
・エプロンシアター


朗読された絵本は次の4冊です。どの絵本も就学前児童に向けて描かれたものですから、内容は単純明快! 話題も身近なものです。気になった本があれば、書店や図書館でお求めになってみてください。和歌山県人権啓発センターではこれらの本の貸し出しも行っています。もちろん無料です。

「ぎゅっ」(ジェズ・オールバラ/徳間書店)

子猿のジョジョは散歩の途中でいろいろな動物が「ぎゅっ」とハグしているのを見かけます。みんなのハグは素敵です。様子を楽しく見ていたジョジョですが、次第に何だか寂しくなってきます。ジョジョはママがこいしくなって、ゾウさんたちと一緒にママを探します。ジョジョはママを見つけ出して「ぎゅっ」としてもらえるでしょうか?

「かお かお どんなかお」(柳原良平/こぐま社)

ページをめくるごとにいろんな「かお」が出てきます。「わらったかお」、「ないたかお」、「たのしいかお」、「かなしいかお」……いろんな表情があります。読んであげる人と聞く人が、一緒にそれを真似したり、笑った理由、泣いた理由を考えたり。登場する表情と同じように、楽しみ方もいろいろたくさんの絵本です。

「みんなおなじ でも みんなちがう」(奥井一満/福音館書店)

表紙には貝の写真がずらりと並んでいます。しかし「貝」と一口に言っても種類はさまざま。同じように見えて、よーく見ると実にたくさんの種類の貝があります。
貝のほかにも絵本の中にはひまわりの種やかたつむりなど、自然界に存在する動物・植物を比べて見てみるページが連なります。添えられる言葉はどのページも「みんなおなじ でも みんなちがう」。

「ええやん そのままで」(トッド・パール/解放出版社)

歯が抜けた人、髪がない人、長い鼻の人、丸い鼻の人、いろんな人が登場します。歯が抜けても平気だし、髪がないのもおしゃれだし、長い鼻も丸い鼻も大切な鼻です。みんなと違っても「ええやんそのままで」。敢えて関西弁に訳されたフレーズがまろみを帯びて、独特の読みごたえです。


4つの絵本からのメッセージは…

絵本には何が描いてあるのかな?
絵本には何が描いてあるのかな?
4つのお話はそれぞれ違うことをテーマとしています。

・人と人とがふれ合うこと。
・人にはさまざまな感情があること。
・人はみな等しく人であり、同時に一人一人が異なる個人であること。
・人々は誰もがありのままで生きていけるし、その権利を持っていること。


こうしたことが、ハグしてほしい子猿やたくさんの種類の石などの分かりやすいお話を通して、考えることができます。

たとえば、みなさんは家族と身体をふれ合わせる機会がありますか?
お子さんや愛する人を「ぎゅっ」とハグして愛情を伝えていますか?
きょうだいは同じ親から生まれて同じ家で育った同じ人間ですが、好きなもの・嫌いなもの・考え方などはそれぞれ違うし、どれも間違ってはいないということを、お互いに認め合っていますか?

どれも平凡な生活の中にあるできごとです。どれも自分以外の人を「独立したひとつの存在」として認めるということです。そしてこれが、「人権を尊重する」ということです。

絵本を通じてこれを知ることができるのが「じんけん絵本セレクション」です。しかし、絵本にも朗読する人の語りにも、「人権」という言葉は登場しません。

「さあ、人権の勉強をしますよ」という催しではないのです。ただ、おもしろい絵本の朗読を聞いて、楽しむだけです。絵本のお話を聞いて何を思うかは、参加者次第。何を思ってもいいのです。

みんなで手遊び楽しいね!

歌いながら手遊びもします。グーチョキパーで、何つくる?
歌いながら手遊びもします。グーチョキパーで、何つくる?
4冊の絵本の読み聞かせの間には手遊びが入ります。1冊終わるごとにみんなで歌いながら遊びました。「グー・チョキ・パーで何つくろう?」では、園児のみなさんがつくりたいものをたくさん声に出していました。

かたつむりやカニなど活発に意見が発表され、みんなで歌いながら手でかたつむりやカニをつくります。どの顔も笑顔です。楽しいのが一番!

手遊びのほかに、エプロンシアターも行われました。エプロンシアターとはエプロンを舞台に、ポケットから人形や小道具を出したり、エプロンに貼りつけたりしながらお話をする、人形劇のようなものです。

この日はポケットがお鍋になったエプロンに、ニンジンやじゃがいもやお肉がくっついていて、ひとつずつポケットのお鍋に入っていきました。いったい何ができるでしょうか。
ニンジンやじゃがいもがお鍋に入っていきます。
ニンジンやじゃがいもがお鍋に入っていきます。
材料が入ったお鍋の中をおたまで混ぜると……できたのはカレーでした! 園児のみなさんはカレーが大好き。「食べたい!」という声も上がります。とても楽しそうです。

これも絵本の一種と言えるでしょう。エプロンを舞台にして、登場人物や小道具がそこに配置されています。観客(ここでは園児のみなさん)の意見を取り入れながら、みんなで一緒にお話をつくっていくのです。エプロンに面ファスナーなどでいろいろ貼りつけて、自宅でも家族で楽しめそうです。

人権を感じよう!

この催しは人権啓発センターが行う幼児向け人権啓発プログラム「みんな、たいせつ」の一部です。子供と家族の人が一緒に参加して一緒に楽しめる催しでした。特に園児のみなさんはどの人もみんな笑顔で参加していて、楽しく学びの入口に立ったことでしょう。

「人権」というと難しく感じますが、実はどんな人にもあって、常に生活に密着しているものです。この記事をお読みのみなさんも人権を持っていて、みなさんの家族などの身近な人も、また見知らぬ人も、路上でただすれ違うだけの人も、みんなみんな、人権があります。

今回の「じんけん絵本セレクション」を通して感じられたのは次のことです。

・私は私でいていい
・私も、ほかの人も、同じように大切な存在


実に当たり前のことのようですが、時折、忘れられがちなことでもあります。こういったことを当たり前のことと捉えられるように、幼い頃から体感していることが「生きた人権感覚」を身につける近道です。

「生きた人権感覚」とは、日常から人権について思いを巡らせることができ、自分の人権もほかの人の人権も、意識しなくても大切にできる感覚です。これが身についていれば、うっかり誰かの人権を侵してしまう心配が少なくてすみます。もっとかんたんに言うと、自分もほかの人もいやな思いをする可能性が減るということです。
敏感な年頃のみなさんは、絵本のお話にどんなことを感じたでしょうか。
敏感な年頃のみなさんは、絵本のお話にどんなことを感じたでしょうか。
特に3~5歳は感性が急速に発達する時期。「じんけん絵本セレクション」で学んだ園児のみなさんと同じように、多くの人に早いうちに人権を「感じて」頂きたいです。「学ぶ」というほど身構えなくてもいいのです。今回の催しのように、ただ絵本を読むだけでも構いません。

「自分が大切にされていること」、「他者をいたわること」。幼い人たちは幼いうちにこれを身につけ、幼い頃に学びきれなかった人は改めて学び、さいわいにして早くに学べた人も繰り返し思い出すこと、そしてさらに、新しく知るということが重要です。

人権の話題は常に身のまわりにあります。電気やガスの無駄遣いに気をつけるように、自分を大切にすること、ほかの人を尊ぶことにも、日頃から気をつけられるようになりたいものです。

いつも開かれています「和歌山県人権啓発センター」

和歌山ビッグ愛2階にある和歌山県人権啓発センター
和歌山ビッグ愛2階にある和歌山県人権啓発センター
和歌山県人権啓発センターでは、この日使用した絵本をはじめ、人権に関する本やビデオの貸し出しを行っています。「じんけん絵本セレクション」に興味を持たれた方はセンターで絵本を借りて、子供さんと一緒に読んだり、話し合ったりしてみませんか?

人権啓発センターはどなたでもご利用頂けます。また、気軽に立ち寄って構わない場所です。本を読んだりビデオを見たりもできるライブラリーもありますので、お買いもののついで、行楽のついでにでも覗いてみてはいかがでしょうか。
公益財団法人和歌山県人権啓発センター
和歌山県和歌山市手平2丁目1-2 和歌山ビッグ愛2F
073-435-5420
mail@w-jinken.jp
月~土曜日 9:00~17:45