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川辺の使い方、4つのテーマで語り合う|第三回ミズベ会議

2017年8月3日、ぶらくり丁内「みんなの学校」で開催された第3回目ミズベ会議。一般社団法人環境文化研究所代表理事 田中謙次さんの公演のあとは、グループディスカッションも開催されました。

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今回は第3回目となるミズベ会議が「みんなの学校」で開催されました。一般参加者は約35名。今年の新たなスタートと課題をみんなで話し合いました。

リバービジネスで少子化・定住化対策を目指す

一般社団法人環境文化研究所代表理事<br>日野川流域交流会幹事<br>田中謙次さん
一般社団法人環境文化研究所代表理事
日野川流域交流会幹事
田中謙次さん
福井市でリバービジネスに力を入れている田中謙次さん。現在2つの会社を経営しており、今回は「一般社団法人環境文化研究所」のお話を中心に、JR武生駅近くにある「日野川」の川辺で取り組んだ実例などを紹介してくれました。
福井市は和歌山市と似ていて、田舎ではあるけれど逆に「田舎だからこそ良い」という言葉でなにごとも取り組んできたという田中さん。福井市の少子化・定住化対策を水辺から行うリバービジネスをプラットホームに、さらに水辺・川辺にランドエスケープを足していきたいと考えているそうです。

まず日野川にある河川公園をもっと使いたい、という思いから取り掛かった「砂礫河原を元に戻す会」では、3年間のあいだで“あゆ釣り”や“ボート体験”を行い、同時にアンケートを回収。その結果から、利用者層には25~35歳がスッポリと抜けている現状を理解したそうです。そこで、少子化・定住化対策を行うには、25~35歳が集まる何かを水辺で行うことが大事なのではないかと考えた結果、2012年から始まった川辺でのイベント活動では、SUP体験やカヌー体験にくわえ、川辺でお酒を飲みながら音楽を楽しめる「リ・BAR」も大盛況だったそうです。

「川辺で得た利益(リバービジネス)は、全て地域活性化のパワーにするために使用する。」そう話す田中さんは、「市も県も全て運命共同だから、皆で取り組んで協力しあわななければいけない」と語りました。

また、今年は例年通りの川辺でのイベントは行わず1ヶ月河川占有許可を取り、オリジナルで作った三角形の「6P ガゼボ」。これを無料で誰でも使えるようにし、コワーキングスペース・読書・お昼寝・川辺でカフェ・会議など使い方は自由です!この取組みの理由には、“川辺での利用方法の提案や希望をしているのは、決して田中さんだけではない”ということを周囲に示すため。場所が出来れば利用したいと希望してくる人たちが居る、そこを証明する年にするのが、2017年の取組みであると教えてくれました。
小さなリバービジネスであっても波紋のように広げ、「街と水辺」「人と人が繋がる場所」にしていきたい。そして、何より自分たちが楽しんで少子化や定住化問題を面白く解決したいと思っています、と締めくくりました。

4つのテーマにそった川辺の利用方法の提案!

田中さんの講演が終わると、次はワークショップへと移りました。4つのテーブルにそれぞれテーマが設置され、「食」「イベント」「環境改善」「水上アクティビティー」と並ぶ中、参加者は気になったテーマのテーブルに移動します。約30分ほどチームでテーマにそった“やってみたいこと”を書き出し、最後に発表するというものでした。
【環境改善班】は、「開」というイベントを開催し、和歌川の水門を開くということを提案。
【食文化班】は、両輪プロジェクトと称しひとつは川辺の側に飲食店などをどんどん作るという輪、もうひとつは川辺の綺麗さを追求すべく民間の力で綺麗に清掃するという輪を合わせた提案。
【イベント班】は、和歌山の市堀川でやる意味をもたせるイベント「今昔ストーリー」として、川の歴史の追体験ができる・SUPを使った婚活を提案。
【水上アクティビティー班】は、水辺学校を創り大人も子どもも水・川辺の歴史学べる空間を作ることを提案。

以上4つのテーマに沿った意見が出ました。笑い話しを交えながら、水辺の利用の広がりを感じました。

編集後記

今回第三回目の開催となったミズベ会議。第一回から、シンポジウムまで前回はペルソナの設定をするなど、みんなで行ってきたミズベの未来。今回はテーマにそった具体的な使い方の提案も行いました。さらに田中謙次さんの、日野川で実行された面白い取り組みの数々は非常に参考になるものばかりで、なにより田中さんたち本人たちがいかに楽しんで企画しているかが伝わってきました。田舎だから、ではなく、田舎だからこそ、面白さや得意となる物はあるはず。和歌山も「和歌山だからこそ」といった水辺の活用方法が広がるといいなと思いました。