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第5回フォルテワジマで開催│リノベーションまちづくり構想検討委員会

第五回フォルテワジマで開催したリノベーションまちづくり構想検討委員会をレポートします!

写真:リノベーションまちづくり構想検討委員会 第五回会場の様子<br>
写真:リノベーションまちづくり構想検討委員会 第五回会場の様子
北九州をはじめ、全国で取り組みが活発化している「リノベーションまちづくり」。和歌山市でも毎年のように「リノベーションスクール」が開催され、市民による遊休不動産の開発が着々と進んでいます。12月20日18:00から和歌山市新通にある「フォルテワジマ4階ホール」で開催された「第五回リノベーションまちづくり構想検討委員会」の様子をレポートします。

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第五回目となるまちづくり構想検討委員会のテーマは、「戦略的都市政策と公民連携~補助金からファイナンスへ~」です。40人以上の一般見学者が参加し、中には大学生の姿もありました。それだけ、和歌山のまちづくりというジャンルが幅広い世代に注目されているのだとわかります。

今回大きなポイントとなった「クラウドファンディング」。これは、起業家やクリエイターが自身のアイディアやサービスを実現する目的などのために、ネットを通じて不特定多数の人たちから資金調達する手法です。このクラウドファウンディングをリノベーションにどう活用できるか話合われました。

ローカルファンディングの再発明~補助金からファイナンスへ~

写真:菊池公平さん<br>
写真:菊池公平さん
1人目のゲスト委員は、菊池公平さん。証券会社から2009年山口銀行へ転職。2011年には北九州銀行設立に際し、北九州市と契約更新業務を担当。立ち上がった2014年から2年間北九州市役所に出向を経て、2016年4月より北九州市役所に現在入庁しているそうです。そんな菊池さんから、「リノベーションと実際のファンディングのポイント」「銀行員が話す銀行の話」「北九州市で作った制度について」「広がる資金調達」の4つのテーマで話が進みました。

北九州でも行われているリノベーションスクールに、当時第一期生として参加された菊池さん。リノベーションを通じ、行政と民間が一体となって働くことで、「他人ごとだった街づくりが、自分ごとになる」こういった大きな変化を感じたそうです。リノベーションの事業化を前に大きな壁となったのが、資金調達でした。現在地方銀行は、人口減少・資金の利ざやの縮小・経費削減のための店舗見直しなどの状態が脅威となり、銀行も別のビジネスモデルを模索しているので、この機会に地域に手を伸ばし一緒にまちづくりを出来るような状況を作るべきではないかと、菊池さんは語ってくれました。

また、地方と相性の良いクラウドファンディングを導入した制度で、銀行の融資を受けやすくする取り組みが話にありました。事業者たちの今後の「まちづくり」と資金調達のハードルについて、どう変化していくの注目です。

クラウドファンディングを活用したまちづくりとは

写真:米良はるかさん
写真:米良はるかさん
二人目のゲスト委員は、REDYFOR株式会社 代表取締役 米良はるかさん。2012年慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科終了。大学院在学中の2010年にスタンフォード大学へ留学し、帰国後の2011年3月、日本初のクラウドファンディングサービス「REDYFOR」を立ち上げ。今回は、米良さんの会社「REDYFOR」で実際に行われたクラウドファンディングの実例を挙げながら、仕組みの説明や、地域との相性、そしてまちづくりとの関係性をプレゼンしてくれました。

REDYFORは、現在世界で5番目のクラウドファンディングのサイトとして注目されています。今までに5,500件の案件が、登録されてきたそうです。過去の案件紹介で《古民家の屋根修繕費用》 《日本最古の車を修理して、もう一度走らせたい》 《アウトドア用グリルヒーターの作成費》など、面白い内容のものが沢山あり会場は驚きと笑いに包まれていました。
実際にクラウドファンディングを利用する人たちは、寄付を募る側は「お金が必要」「PRしたい」「顧客の獲得」「自分たちのしたいことが市場化できるのか」という目的があり、寄付する側は「リターンが欲しい」「応援したい」「仲間になりたい」と感じているそうです。資金を支援することで、そのプロジェクトが成功した時の達成感を一緒に味わえることや、プロジェクトの一員になれたような、そんな特別な体験が出来るのがクラウドファンディングの特徴ではないかと教えてくれました。

最後に、「街をよくする事業者さんが、良いお金を手に入れ、その後地域活性化をするような事業を立ち上げるために、クラウドファンディングでどんなことが出来るのか、みなさんとも考えていきたい。」と会場に語りかけていました。

編集後記

今回は、銀行の融資やクラウドファンディングが主なポイントとして会議が進みました。その中でも菊池さん・米良さん共にクラウドファンディングの今後の大きな可能性と、新たな資金調達のあり方を提案してくれました。最後の委員同士のコメントの中にも「今まででは、新しいビジネスをしたい・未来型のビジネスを考えたといっても、銀行の融資を貰えなければ事業として成り立たない。と諦めがちだったのが“クラウドファンディング”ならと、無理だと思っていたことに手が届くことが出来るかもしれない。」という、前向きな意見もありました。新たな形で進む【まちづくり】の今後が楽しみです。