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お父さんと子どもが一緒に遊ぶきっかけを。塗り絵から始まったパパたちの挑戦!

2013年2月に設立した非営利サークルPaPaChika(パパチカ)にインタビューしてきました。

2016年11月27日にJR和歌山駅近くのJAビルにて、巨大塗り絵イベントを開催したパパチカ。今回皆さんの、活動内容や塗り絵に対する思いをじっくり聞いてきました。

お話しを聞かせていただいたのは、パパチカメンバーの代表 中嶋繁樹さん、イラストを担当 藤田征宏さん、そして広報担当 額田康夫さんの3名です。
写真左から 藤田さん 中嶋さん 額田さん
写真左から 藤田さん 中嶋さん 額田さん

思いつきが、実現に。塗り絵を和歌山市の子どもたちへ、無料配布!

ーーー初めまして、今回お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。まず、パパチカはいつから設立されたサークルですか?

中嶋さん:僕たちパパチカは育児中のパパ・元パパが集まった総勢25名の非営利サークルです。2013年2月に設立して、最初は仲の良い4人のパパが立ち上げたことから始まりました。活動を通じて人が人を呼び、他にもイベントで声をかけてくれたことでメンバーがどんどん増えました。


ーーー現在25名ってかなりの大きなサークルなんですね!

中嶋さん:そうですね、自分たちもこんなに大人数になると思っていなかったので、かなり驚いています。規定はパパ・元パパであるという一点のみなので、入りやすいという点と、活動も必ず出席しなければというものでは無いので、気軽に参加出来るサークルとして活動しています。


ーーーなるほど。メンバーの方々は普段どんなお仕事されてる方たちですか?

中嶋さん:会社経営者、生命保険勤務、薬剤師、病院事務、お笑い芸人など本当にさまざまな業種のパパたちが集まっていますよ。だから全員が集まるのって一苦労ですね(笑)


ーーーパパチカの主な活動は何をされていますか?

中嶋さん:主な活動は「わかやまぬりえ」という、和歌山の魅力を再発見してもらえるような塗り絵を自分たちで考案し、和歌山市の幼稚園や小学校を中心に約1万冊無料配布しています。他にも、自分たちで親子イベントを主催したり、他のサークルさんと組んでお手伝いさせていただいたりと、お父さんと子どもを繋ぐイベントを行っています。
ーーー塗り絵の無料配布ですか!

中嶋さん:はい。2014年に発行した1冊目のわかやまぬりえは、和歌山市民提案底力実施事業に選ばれたことがきっかけだったので、補助金で無料配布を開始しました。ただ、実際配ってみると凄く反響が良かったんです!塗り絵以外のイベントも幾つか試してみて、「奥さんの話を聞く力を持とう」だとか「絵力アップ講座」とか。でも塗り絵は、お父さんにも反響が良かったんです。そこで、第二弾からは自分たちで仕事の合間をぬって考案し、資金は協賛を募って2015年に発行しました。今年も第三弾を予定していて、現在発行に向けて活動しています。
第二弾の「わかやまぬりえ」
第二弾の「わかやまぬりえ」
ーーーでも、なぜ塗り絵だったんですか?

額田さん:ぶっちゃけて言うと、最初は「思いつき」だったんです(笑)。当時、僕と中嶋さん、塩崎さんというお父さん仲間3人で夜集まって話をしていました。「何かしよう、でも何かって何やねん」って、育児中のお父さんたちができることって何だろうって話題でした。そんな時、塩崎さんが長崎県で見つけた塗り絵の話をしてくれたんです。そこで「塗り絵いいね!」って同意したんです。


ーーー思いつきから、話がどんどん膨らんだんですね。

額田さん:実際日曜になるとお父さんって、「子どもと朝からアニメみて、イオンに行く」の繰り返しだって、そんな話ばかり聞くんですよね。だけど、それじゃあ和歌山の魅力って何一つお父さんも子どもも知らないままだねって話も途端に出て、その二つが合わさって「単純な塗り絵じゃなくて、和歌山に特化した塗り絵にしようよ!」と話が進みました。


ーーー「わかやまぬりえ」の誕生ですね!

額田さん:はい。お父さんの育児参加率が最低の和歌山で、何ができるかを考えて行き着いたのが塗り絵でした。塗り絵なら、会話のネタになって、一緒に塗ることで触れ合えて、どこにだって持運べるってどんどん3人の話が突き進みました。ただ一つ、問題は3人の中で誰も絵が書けないことでした(笑)


ーーー塗り絵の「絵」が描けない?!

額田さん:そうなんですよ。でも、塩崎さんが藤田さんを紹介してくれてイラストを担当してくれるってなったお陰で、塗り絵の話が止まらずに進むことになりました。
ーーーなるほど、ここで藤田さんの登場で、本格スタートだったんですね。

額田さん:人が人を呼んで繋がって行くんですよね。藤田さんがいなければこの塗り絵は完成しませんでした。そのあと、和歌山市民提案底力実施事業という募集があって、選ばれれば無料で塗り絵が作れるぞって分かってから、実際に発行するまで「あーでもない、こーでもない」って色々大変でしたね。でも実現して、反響がよく受け入れてもらえた時とても嬉しかったのを覚えてます。


ーーー例えば、どんな反応がありましたか?

藤田さん:やっぱり塗り絵って受け入れやすいんですよね。
額田さん:そうそう、塗り絵をいらないっていう人は100%居ませんでした。それに、県外から和歌山に嫁いで来たからまだ和歌山のこと、よく知らないって奥さんが居て。その人には「和歌山のガイドブックみたいですね」という意見を貰えた時は、そんな捉え方をしてもらえるんだって凄く嬉しかったです。

塗って終わり、じゃない。思わず出かけたくなるような、そんな塗り絵に

ーーー確かに、実際見に行ける場所ばかりで、親子で一緒に回るなんてこともできますね。

藤田さん:そうですね。特に第一弾は和歌山でもメジャーな場所を選んで、イラストを描きましたが、第二弾は逆に少しディープな場所・背景などをイメージして作りました。例えば、七曲市場の絵の中に時計を書き込んでいるんですが、実際に行かないと覚えていないポイントを意識したり。交通公園の絵には、木と木の間から発進する電車が見える様子なんかを書き足しています。


ーーー塗るだけじゃなくて、実際に行ってみたくなるイラストですね。

藤田さん:例えば子どもに、ここはどんな場所なのかと尋ねられたら、大人なら答えやすいモチーフだったり、知らないなら「じゃあ、一緒に見に行こう」と言いやすい。そんな絵やシチュエーションを想像して皆んなで意見を出し合っています。

子どもだけじゃなくて、お父さんも一緒に興味を持てる絵を考えたり、塗りあがった絵をみて満足感をもってもらえるように、細かい絵を足したり。塗り絵をする年齢層も広いので、できるだけ飽きずに塗れる絵も意識してます。

ーーーお父さんと子どもの会話が生まれる、ってとっても素敵ですね。

中嶋さん:お父さんと子ども、家族全員で仲良く楽しんでもらいたいと思うので、この塗り絵が「親と子ども」の話すきっかけ作りや、塗って終わりではないツールになればいいなと思います。


ーーーパパチカとして、今後どんなことをしたいと考えていますか?

額田さん:やっぱり塗り絵は10弾まで作りたいよね。
藤田さん:そうですね、塗り絵はずっと続けたいです。
額田さん:そうなると、僕たちパパチカというかおじいちゃんになってるけどね(笑)おじチカって名前で「おじいちゃんが和歌山盛り上げるぞー!」ってね。


ーーーおじいちゃんサークル、楽しそうですね(笑)

額田さん:やっぱり僕たちが動くことで、“周りにいる・近くにいる”人が、少しでも興味をもって参加してくれたり、「じゃあ、自分も育児参加頑張ろう」って気持ちになってくれたらって思うんで、「大きな事をしよう」というよりかは、自分たちが出来ることを少しずつやっていきたいって思います。


ーーー小さな広がりを大事に、ですね。

額田さん:そうですね。小さなことでもいいんです。お父さんが子どもと向き合う、些細なきっかけが、この塗り絵や僕たちの活動を知ってもらう中で生まれればなって思います。それに、イクメンパパのサークルがもっと増えればいいな、と思っています。別に、パパチカじゃなくても、他のサークルを自分たちで立ち上げて、育児参加を考えてくれるようなサークルが増えれば、お父さん同士の交流も生まれると思うので、そんな風に広がっていけば嬉しいですね。
※PaPaChikaのサイトでは、塗り絵をフリーダウンロードすることができます。
詳しくはこちらをクリック

編集後期

前回パパチカ主催のイベントに取材に行かせていただいた際に、子どもが一生懸命に塗り絵をしながら、お父さんやお母さんとの共同作業を楽しんでいる姿がとても印象深かったです。そんなパパチカさんに今回インタビューを聞く中で、皆さんそれぞれが実際に現在お子さんを育てながら、育児に参加するイクメンパパなので、育児参加の難しさと喜びの両方を語れるんだなと実際にお話を聞いて実感しました。わかやまの塗り絵は、第三弾の発表が間近です、無料配布だけでなくイベントなどでも塗り絵を配布してくれたり、参加も出来るので、ぜひ一度親子でパパチカイベントに参加してみてください。きっと、素敵な時間になると思います。