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第5回リノベーションスクール@わかやま 公開プレゼン!

11月11~13日に行われたリノベーションスクール@わかやまの公開プレゼンの様子をレポートします。

リノベーションスクールってなに?

リノベーションスクールは、これからの建築・不動産・まちづくりに欠かせないリノベーションを通じた都市再生手法を実践を通して学ぶ場です。
事業計画コースでは、実案件(和歌山市内の遊休不動産)を対象に、3日間で受講生と講師陣が一丸となり実務レベルのリノベーション事業計画を作成し、最終日には不動産オーナーへ提案します。スクール後にはその提案をもとに、ブラッシュアップを重ねて実際の事業化に向けて動き出します。また、セルフリノベーションコースでは、実際に自分たちで手を動かし、さまざまな技術を学びながらリノベーションし空間を作り上げます。

まちに散在する遊休ストックを活用して、そのエリアの価値をどのようにして上げ、再生させていくことができるのかを真剣に考え、実現していきます。

今回11月11日(金)~13日(日)まで行われた第五回わかやまリノベーションスクール。事業計画コースと、DIYコースの二つのコースで約40名近くの受講生が集まっていました。まいぷれスタッフは、11月13日におこなわれた「公開プレゼンテーション」を取材。それぞれのチームが、3日間の成果・提案をプレゼンしてくれました。

色々な発想が飛び出すプレゼンテーション!

当日公開プレゼンには、約40人近くの一般見学者が集まり、立ち見をする人もいるほど。大人数が見守る中、プレゼンテーションの順番を決めるジャンケン大会からはじまり、事業計画コースから1番Aチーム・2番Cチーム・3番Bチーム、最後にDIYのSチームの発表に決定しました。

・Aチームは、1階コミュニティダイニング / 2階は外国人向けゲストハウスの空間へ。
 対象物件の1軒だけでなく周辺物件も同様に借りあげ、和歌山市に観光に来た外国人観光客と、近辺に住む主婦、飲屋街にいる地元の人々が出会える、シナジーが生まれる場所として作るというもの。

・Bチームは、1階は飲食店を経営 / 2階はチャリティースペース / 3階はシングルマザー限定のシェアハウス
 1階では、カフェ・バー・パン屋を併設。2階はチャリティースペースとして好きなようにパーティーや展示など使って貰えるスペース。3階は1年間賃料無料のシングルマザー限定のシェアハウスというもの。

・Cチームは、子どもと高齢者たちが交流できる将棋スペースと大人が楽しむBARの両立
 入り口が2つあるという物件の特徴を生かし、別々のコンセプトのお店を一つにまとめ、幅広い年代がコミュニケーションが取れるというもの。

・DIYチームは、対象のビル所有者からの要望により焼肉屋運営に向けリノベーション成果を発表
 二階立ての物件のため、一階と二階をそれぞれリノベーション。過去に使われていた冷蔵庫の扉を、お店の扉にするという改造にも挑戦していました。

それぞれが物件に対する、面白い発想とアイディアをマイクを通じて会場にいる人たちへぶつけます。もちろん、できないことを発表するのではなく、収支計画を立て自分たちがビジネスにできる、実現させるという前提でプレゼンされます。

入り口が二つある物件を使って、子どもと高齢者などが交流する場へ

Cチームのみなさん
Cチームのみなさん
色々な発想が飛び交う中、とくに会場を笑いの渦に巻き込んだのが、Cチーム。対象物件は和歌山市西ノ店にある「元将棋会館」です。この物件は、一つの建物に別々の入り口があるというもの。そこでCチームが提案したのは、「昼と夜別々の顔をもつお店」です。
昼は、お年寄りと子どもが一緒に将棋やボードゲームを楽しめるスペースや、おばあちゃんが小さい子と一緒に餃子など料理を作る体験スペースなどを設営。夜は、社会人が遊びに来るバーとなり、時間帯でそれぞれのお店やコンセプトにそった人たちが集まるばになるというもの。
別々のお店が一つの敷地を使用している、というのはよく目にする光景ですが、入り口自体がオープンになっていることが多い中、この物件の面白いところは中に入らないと、外からは様子が見えないという点。だからこそ、入ってからの驚きというものが生まれるのではないかと思いまいた。
また、近年「近所付き合いの希薄化」とよく耳にしますが、忙しい親にかわり近所の高齢者が子守するといったご近所同士の交流の場も、見かけることが少なくなってきたように思います。そんな「面白いアイディア」と「人を繋ぐ」という発想を、将棋に例え「最強の布陣をつくろう」とCチームの発表に、会場のみんなが頷く場面がおおく伺えました。

実現に向け、マスター達の厳しい意見とアドバイス。

それぞれのチームの発表のあと、ブラッシュアップタイムが設けられ、スクールマスター・ユニットマスターたちの感想・意見を聞きます。
ゲストハウスを提案したAチームには、実際北九州にある「Tanga Table」というゲストハウスを例にあげ、寝に帰るだけの観光客にどうお金を使ってもらえるのか、を考えて欲しいといった意見も出ました。また、Cチームには、「店名」という部分について集まる人に与える印象の大切さなどをアドバイスしていました。小さな子どもも通う場所にするなら、「BAR」という名前は子を持つ親として心配になる、といった意見を伝えていました。
事業化する際に必須となる資金面の本格的なビジョンなど、時には厳しい意見もスクール生たちに投げかけながらも、生徒たちが発表する色々なアイディアにマスターたちも真剣に聞き入っていました。

編集後記

「和歌山には何もない」と、よく聞く言葉ですが、アイディア一つで沢山の発想や実現に向けた計画が動き出します。リノベーションスクールは、何かを始めたいなと考える人たちや、和歌山をもっと楽しく人の溢れる場所にしたいと、と思うひとたちが一丸となって数日間アイディアを練ります。

そのアイディアは今まで何件も実現されています。例えば、和歌山市ぶらくり丁内で月に一回開催される「ポポロハスマーケット」。石窯ピザが名物の「石窯ポポロ」。日本酒バーに変身した「水辺座」。ビルの1階と5階・屋上を使用した「ゲストハウス RICO」など。これからも、新しく楽しいアイディアで更に和歌山が盛り上がることが期待されます。